- 2016年09月21日 16:37
介護報酬の引き上げは簡単じゃない。介護が抱える問題の“解”を見つけるのは難しい - 「賢人論。」第5回 乙武洋匡氏(中編)
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答えは「介護報酬を引き上げて、日本人の労働力を確保する」。だけど、その方法がとてつもなく難しい
みんなの介護 移民の受け入れに関しては賛否両論で、確かに難しい問題がたくさんありそうです。
乙武 いまの状態で移民を受け入れたとして、はたして日本人にとって、また移住してくださる方々にとって、本当に幸せな状態になるのか。そう考えたときに、私にはあまりいいイメージが浮かばないんですよね。それ以前に、まずは国内の――例えば、障がい者であるとか同性愛者であるとか、そうした方々をきちんと包摂できる多様性を根付かせないと。
ゆくゆくは、移民の方々を受け入れることのできる社会にしていきたい。でも、移住する側、迎え入れる側、双方のことを考えたときに、「まだ機が熟していないな」と感じてしまうんです。ハレーションを最小限で済ますために、まだ越えなければならないステップがいくつか残っているのかなと。
みんなの介護 となると、残りはひとつ目の「介護報酬を引き上げて、日本人の労働力を確保する」ということになりますね。
乙武 おっしゃる通りです。ただ、現実的に介護報酬の引き上げって可能なのかと考えると、財源確保という観点から見れば、そう簡単な問題ではないことがわかる。「じゃあ、どうすればいいんだよ」というほど本当に難しい問題で、考えれば考えるほど、答えにたどり着く気がしない(苦笑)。
現在、様々な社会的な問題はあるものの、おおよその“解”は見つかりつつあるという状況にある。あとは、いかにその“解”を実行し、実現していくかというフェーズに来ていると思うんですよ。だけど介護だけは、なかなか“解”が見つけられないんですよね。迫り来る“超”少子高齢化社会に、「いったい、どうしたらいいんだろう」って。



