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「EU存続、試練の時代」を読んで

今日の日経の9面の左に掲題のインタビュー記事があった。相手はRoger Bootle氏である。誰かは寡聞にして知らない。EU懐疑派とある。記事は、見出しに惹かれて読んだ。

内容は、英国のEUへの関心は経済である、EUは政治的に英国が望まない方向に発展している、EU経済は著しい成果を挙げているとはいえない、英国はハードブレグジット(名実ともの離脱)を目指すべき、今後50年を考えるとEUが存続するとは思えない、思想的背景の異なる移民を闇雲に受け入れることが人口減少の解決にはならない等、である。

同感なのは主に2点ある。

1つは、EUの限界に関する視点である。EUは政治的に単一の世界を作ろうとしてきたが、その方法は一種の原理主義の導入であり、イスラム原理主義と共通するものがありそうだ。少なくとも、多様な価値観とそれに基づく行動や政策とは対峙している。経済的に拡大している時期(ユーロ誕生からリーマンショックまで)、EU原理主義に対する反発は表面化しにくかったが(埋もれていたが)、経済が停滞すると一気に反発が生じた。今でも反発は収束せず、ついに英国の離脱となった。

世の中、政治的に1つの世界が理想である。しかし、原理主義が支配し、多様な考え方や行動(企業活動を含む)が抑え込まれてしまえば、元も子もない。この点、EUが求める世界には「遊び」がない。規則でがんじがらめになりそうで怖いし、そうでなくとも退屈である。冬のヨーロッパのように暗いと表現してもいい。南欧諸国にとって(彼らの行動を正当化しようというつもりではないものの)、息が詰まりそうだろうと同情する。

もう1つの同感は、移民政策である。日本国内にも、「人口減少なら、移民を積極的に受け入れたらどうか」との議論がある。この議論は二重の意味で間違いである。最初の間違いは、移民を労働力としか見ていないことにある。広い意味で人種差別している。もう1つは、人種差別的な外国人の受け入れを促進すれば、日本の近代の過ちと同じ轍を踏むことになってしまう。

海外の多様な文化との触れ合いの機会を増やし、日本の文化をさらに豊かにするためであれば、移民に賛成である。海外からの優秀な留学生と話していると楽しい。その延長線上の移民政策を政府に考えてほしいと思う。この点では日本にも事例がある。朝鮮半島からの先端的な文化の渡来である。もちろん、当時の状況を十分に知った上での考え方ではないが、少なくとも日本にとっての憧れだったのは確かだろう。

日本の近代の移民というか外国人との関係ではなく、もっと過去に遡り、海外との関係をどうするのか、しっかりとした方向感を持った上で移民の議論をすべきだと思っている。

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