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厚生労働省の官僚だって、「経済成長?これ、ウソだなー」なんて思いながら制度設計をしていると思います―「賢人論。」第9回宇佐美典也氏(中編)

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年金制度の設計は、経済成長率が2%を継続する前提で進んでいること自体が無茶な話

みんなの介護 破綻…というと、何をもって破綻と言うのでしょうか?まさか、年金支給額が0円になるということではないですよね?

宇佐美 ゼロになるということではないです。ただ、設計していた通りに遂行できなくなるという意味での「破綻」です。今の高齢者が受け取っているくらいの年金を若い世代も受け取れるという前提で制度設計しているわけですが、それが無理で、今の人が受け取っている半分や3分の1くらいしか受け取れないという意味ですね。

みんなの介護 その未来は、かなり近い将来という感じでしょうか?

宇佐美 時期までは確定的なことは言えないですが、そう遠くない未来にこのまま行けば破綻するのは確実でしょう。政府が消費増税に向けて2012年に発表した経済予測では、経済成長率が2%程度をずっと継続する前提で進んでいる話なのですが、早くもその前提が崩れてきていますからね。

今、年金というのは皆さんから集めた保険料に税金と政府の借金、を加えた額がプラスされているわけですが、経済成長が予定通りに行かなければ、税収が減って、さらにどこかで政府が借金できなくなってプラスする分がなくなってしまう。そうなった時が破綻でしょうね。

みんなの介護 そういえば先日は、年金を運用する機関であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の、その運用方法と実績についても問題になっていました。なんでも、何兆円も損益を出したとか…。

宇佐美 GPIFは、株と国債で運用しているわけですが、国債の利回りは限られている以上、株で運用するしかないですよね。そうなると、得する時もあれば損するときもあるわけで、一時期だけを見て「損益を出した!どうなっているんだ!」と騒ぎ立てるのは、ちょっと違うかな?と思いますが。

安倍政権の期間の株価を見ると、8,000円から1万7,000円くらいにまで上がっているわけですから、そのぶん利益が上がっているのは間違いありません。とはいえ、株で運用するにしても、株価がずっと上がり続ける前提で設定されているのはおかしな話で。日本経済がずっと発展するなら良いですけど、そんな旨い話はありませんからね。

みんなの介護 経済成長が前提での話というと、かなり時代にそぐわないようになっているのではないでしょうか?

宇佐美 そうですよ。でも、そうでも言わないと国民の信頼を得られず、国の口座にお金が入ってこない、そして運用することもできないんですから仕方ない。厚生労働省の官僚だって、「経済成長?これ、ウソだなー」なんて思いながら制度設計をしていると思いますよ。それでも今の高齢世代の年金にプラスする財源を確保するため、ひいては国民の皆さんのために、彼らはせっせと狼少年をやっているんです。全ては国民のためなんです。見方によりますが。

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