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英独米の視察を終えて

外遊中、極めて深刻な事態が発生しました。北朝鮮による5回目の核実験です。技術的な評価はまだ定まってはいませんが、種々のデータからして核に関する能力が向上していることは確かだと思われます。我が国に対する脅威は格段と高まってきていると認識しなければなりません。

今回の視察のテーマは「各国のインテリジェンス機関の監視体制の調査」でしたが、視察の最終段階でこのようなニュースに接し、これまで以上に日本のインテリジェンス能力を高めなければならないということを痛感したような次第でした。

今回、我々が英独米を中心に回ったのは、これらの国々が高いインテリジェンスの能力を有しており、そうであるがゆえに、その活動が適法かつ適正に行われているかどうかを監視するための特別委員会が国会に設けられているからです。

我が国においては昨年発足したばかりの衆参の「情報監視審査会」がそれに当たります。しかし、英米独等の諸外国と決定的に違っているのは、情報監視審査会の任務が「特定秘密」の指定ならびに解除の適否の審査にとどまっており、情報機関そのものの活動を審査する権能を有していないことです。それは、我が国が本格的な対外情報機関を有していないことにも起因しています。

「インテリジェンス」とは本来、国の安全保障やテロ対策のために対外情報を収集し、分析する機能を指します。それがゆえに、各国とも外務省や国防省とは別に特殊な能力や権能を有する機関を設置しており、だからこそ、「秘密会」において国会がその活動を厳重に監視する必要があるわけです。

「特定秘密保護法」の制定に当たっても、激しい議論が展開されましたが、「対外情報機関の設置」ということになれば、それ以上に激しい議論を招くことになるでしょう。しかし、現在の我が国が置かれた厳しい安全保障環境やテロの脅威を考えれば、早晩、その必要性についての議論を起こしていくべきではないかとあらためて思っているところです。

ご承知のように、2019年にはラグビーワールドカップ、そして、2020年には東京オリンピック・パラリンピックといった国際イベントが開催されることになりますが、万が一にもテロ事案などが起きないように、これまで以上に対外情報の収集と分析に万全を期していく必要があります。

目下、そのために内閣官房のもとに「国際テロ情報収集ユニット」が設置されており、外務省、防衛省、警察庁、公安調査庁などから派遣された人員によって活動が展開されていますが、これはあくまでも臨時に編成されている組織であり、本来は恒常的に対外情報を専門に収集し、分析する機関を設置する必要があるのではないかと考えます。

自民党内でも故・町村信孝先生を中心にこの問題を十数年来に亘って議論してきた経緯があり、現在はそのチームの座長を私が受け継がせていただいており、今日まで同僚議員の方々と慎重に議論を重ねてきているところです。

「対外情報機関」と申しますと、ともすれば「スパイ組織ではないか」とか、「戦前のように国民を監視することになるのではないか」といった批判がなされがちですが、今回、視察した英米独をはじめ、多くの民主主義国家において、対外情報機関が国会の監視のもとに適正に活動をおこなっています。そうした事例を参考にしながら、あくまでも冷静に議論していくことが肝要であると考えます。

仮に、そのような機関を設置するということになれば、現在の「情報監視審査会」の機能と権能を大幅に拡大し、情報機関の人事や予算を含めてその活動を厳重に監視していくことが必要になります。そうすることによってこそ、「安全保障上の要請」と「民主主義の要請」の両方をバランスさせ、両立させることができるようになるからです。

今回の視察の詳細は正式な報告書にまとめることになりますが、今日の段階では、私の個人的な感想と思いを述べさせていただいた次第です。さらに、この課題に対する研究と検討を深めてまいりたいと思います。

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