- 2016年09月14日 12:06
私が痴呆に関して調べ始めたのは約50年前。当時はもちろん、痴呆症に対する薬もなかった - 「賢人論。」第12回(前編)長谷川和夫氏
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認知症患者はこれからまだ増える。今はまだ序の口でしょう
みんなの介護 現在は高齢化率が25%を超えていますが、当時は7%ほどと聞いています。その中で痴呆症と言われていた人の割合はどの程度だったのでしょう?
長谷川 パーセンテージは昔も今も変わらないと思いますよ。高齢者の数がグンと増えた今は、だから実数は増え続けていますよね。まだまだ高齢化は進んでいくわけだから…ここからは現在進行形の話だから、「認知症」で統一しましょうか(笑)。認知症患者はまだ増える。今はまだ序の口でしょうね。
みんなの介護 昨今、その認知症患者に関連する事故や事件がニュースとして取り上げられることが多くなりました。そうした事故や事件への対策として、長谷川先生はどのようなことが大切だと思いますか?
長谷川 国としてもいろんな対策に乗り出しているけれど…重要なのは、一般の人たちの認知症に対する理解を広めるというか、啓発が大事ですよね。まずは認知症というものがどういうものなのかと知っていただくこと。
みんなの介護 具体的に、啓発の方法としてはどのようなものが考えられるでしょうか?
長谷川 日本では2005年から一般市民に認知症の講義等を行って、認知症サポーターを作っています。これに注目したイギリス、オーストラリア、カナダなどの国は、キャラバンメイトを活用したサポーターシステムを整えています。日本のシステムが国際的に高く評価されたのです。地方自治体からもいろいろと情報提供をしたり、講義したり。そういうシステムは素晴らしいし、どんどん取り入れていくべきだと思いますよ。
みんなの介護 例えばワインに含まれるポリフェノールが認知症予防に効果があるとか、エゴマ油やアマニ油が良いとか…。いろんな研究結果が発表されていますが、どうも抜本的な解決とは言えないのかな?という気もしますが。
長谷川 そうですね。確かに抜本的とは言えないかもしれないけれど、そうしたしっかりとしたエビデンスがあるデータが集まっているんだったら、やはり取り入れた方が良いですよ。
例えば高血圧や高脂血症、糖尿病、それから年を取ること…まぁ、年を取ることはどうしようもないけれど、45~50歳くらいで高血圧という人はかかりつけ医の先生に相談して、高血圧を治しておくのは良いことですよね。大切なのは、いろんな情報を活用して危険因子を除くこと。それだけは間違いなくて、どこまで真剣に認知症予防に取り組むかということだと思いますよ。



