- 2016年09月11日 23:17
【映画評】スーサイド・スクワッド
アメコミ二大巨頭の一角、DCコミックスのヴィランが大集合した一作です。
予告で超期待していました。新キャラのハーレー・クインを始め、オールバックでこれまでのイメージを覆すニュージョーカー、それからクイーンの「ボヘミアン・ラブソディー」のセンス。アートワークも全体的にイカしています。
ところが、いざ本編を観てみたら、大いに期待を裏切られました。奇抜なキャラはわんさか出てきますが、それで心踊らされることは一切ない。
やっぱり、ヴィランたちの間に文脈がないから、すべてが寄木細工でちぐはぐに見えてきてしまうんです。わかりやすく例えるなら、いきなり「アベンジャーズ」から始められたと思ってください。あの映画は、キャプテン・アメリカ、アイアンマン、マイティソー、ハルクらが個々の映画において地道に奥行きを出してから結成されたのです。だからこそ彼らが並び立つ絵は壮観である。
それに対してこの映画は、ただでさえ馴染みの薄いDCのヴィランで、それを単発映画でやるというのは無茶です。
チームの成り立ちもおかしい。普通のこういう映画って、とんでもない敵が現れ人類の危機!→やべえ!どうしよ!→ロクデモナイやつだけだチーム結成だ!ってなると思うのです。けれどこの映画は、まずヤバイやつらをチームにしてたら敵が現れた(しかもその理由が完全にマッチポンプという。。。)っていうんです。
よく考えたら(よく考えなくても)こんな極悪人らをチームにするって、ものすごくリスキーです。そうするには、そうせざるを得ない理由(極悪人であろうとなかろうと人類が滅亡しちゃう!etc)。その点で、このチーム結成は観客を全く説得できませんよね。
それから何より大問題なのは、少なくとも日本語字幕版では、ほとんど笑える箇所がなかった。あれだけふざけた容姿の集まりなのに、です。少なくともぼくの観た回では、日本をモチーフとしたとあるキャラクターの登場時に失笑が漏れ聞こえたぐらいで、誰も笑っていませんでした。それが1番致命的かもしれない。
個人的に、DCは「ダークナイト」を当てて以降はイマイチというか、どこかマーベルに後塵を拝しています。そこで起死回生を狙ったのが、今作から次に続く「ジャスティスリーグ」シリーズだと思うのです。けれど、今作が象徴的ですが、そのどれもがマーベルの劣化コピーで、作れば作るほど、彼らとの差は広がっていってしまっているのではないかと憂うばかりです。



