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- 2011年08月24日 14:11
円高対応基金1000億ドル
財務省が、円高対応のための1000億ドルの基金を創設するのだ、とか。正式には、「円高対応緊急ファシリティー」と言うのだ、と。
どう思います?
「と言われても‥」
そうですね、中身が分からないことにはコメントもできないでしょう。財務省は次のように言っています。
「分かったような、分からないような‥」「もう少し分かり易い文章にできないの?」「何を考えているのだろうね、すっとこどっこい、すっとこどっこい!」
私、すっとこどっこい、という言葉を思い出しました。皆さんは、思いだしませんか? 「年金3兄弟」なんて菅さんが口走っていた頃、野田さんは、「そっとこどっこい!」なんて言っていた訳です。もちろん、褒め言葉ではありません。
こんなスキームを作って誰が歓迎すると言うのでしょう?
このようなスキームがないと、日本の民間企業は、海外に打って出たり、或いは海外の企業を買収することができないとでも言うのでしょうか。
政治家の命令で、何かを作られなければいけない。官僚としてみたら、そんなものを作っても殆んど効果などないとは思いつつも、何かを作らないといけないので‥
昔、読書感想文の宿題なんてものがあった訳です。本当に感激して感想文を書くのであれば、少しはましな作文ができそうなものですが、予め課題図書が決められていて‥で、その本を読んでも何も感じないのに、それでも感想を書かないといけなかった小学生のときのことを思い出した訳です。
だいたい、感想文って、どう書いたらいいの?
まあ、官僚たちも夏休みの宿題だと思って、形だけ整えましたというような内容に過ぎません。もし、このスキームが本当に有効なものであれば、そもそも総理の口から国民に分かり易く説明することができるものでなければならない筈ですが‥、総理が説明できるとも思えません。つまり、殆んど魂の入っていないスキームに過ぎない訳です。
すっとこどっこい! すっとこどっこい!
今回の「円高対応緊急パッケージ」には、「外国為替の持ち高報告」も含まれている訳ですが、例によって投機筋に責任をかぶせようとする姿勢がどうしてもちらついてしまうのです。
確かに、投機筋の動きが背景にあることも事実ではあると思うのですが、そもそも何故円高になるのか?
「ドルを売って円を買う人が多いから」
では、誰がドルを売るのでしょう?
「だから、投機筋」
確かに投機筋のなかには、ドル安に賭けている人も多いでしょうが‥しかし、そもそもは、日本と米国の貿易関係が、日本側にとって恒常的に黒字になる構造が続いているために、つまり、日本の輸出企業が、輸出で稼いだドルをガンガン円に交換するので、ドル安円高になる力が絶えずかかっていることを忘れてはいけません。
つまり、円高にしているのは、輸出で儲けている我が国の輸出メーカーであると言えるのです。だから、逆に円安にしたいと思うのであれば、輸出企業に対して、輸出でも手に入れたドルを円に交換するようなことは、この際お慎み下さいと言えば、少しは円高が弱まるというものです。
でも、輸出企業は、ボーっとしていると将来益々円高になって、損をしてしまうから、受け取った取ったドルを、直ぐ円に交換したいと思うでしょう。
「そうだよね」
で、そうやってドルを円に交換しようとするから、ドル安円高になってしまうということなのです。
日本の輸出企業も、為替リスクというのは、日常茶飯事のことですから、政府に何かを頼るようなことは止めたら如何でしょう? 或いは、大方の企業が、本当は政府に何も期待していないのに、政府がお節介でやっているということなのでしょうか?
どう思います?
「と言われても‥」
そうですね、中身が分からないことにはコメントもできないでしょう。財務省は次のように言っています。
■■ 以下、引用。お分かりになりました?
「今般、現下の急激な円高の進行に対応すべく、下記の措置を講じることといたしました。
1. 円高対応緊急ファシリティ(1,000億ドル)の創設
【目的】
・急激な円高の進行に対応し、民間円資金の外貨への転換(いわゆる円投)の促進による、為替相場の安定化
・長期的な国富の増大
【基本枠組】
・外為特会のドル資金を、国際協力銀行を経由して活用
・公的部門によるリスクマネーの供給や政策融資により、
①日本企業による海外企業の買収や、
②資源・エネルギーの確保などを促進し、これを民間部門の円投の呼び水とする
【金額・金利】
・政策融資の財源として、外為特会から国際協力銀行に対し、最大1,000億ドルを、6か月LIBOR金
利で融通
・国際協力銀行から合計1,500億円規模を出資
【期間】
・1年間の時限措置
【具体的方策】
(1)M&Aの促進
①邦銀へのクレジット・ライン供与
②産業革新機構との連携
(2)資源・エネルギーの確保・開発の促進
(3)中小企業の輸出等の支援
■■以上引用終わり
「分かったような、分からないような‥」「もう少し分かり易い文章にできないの?」「何を考えているのだろうね、すっとこどっこい、すっとこどっこい!」
私、すっとこどっこい、という言葉を思い出しました。皆さんは、思いだしませんか? 「年金3兄弟」なんて菅さんが口走っていた頃、野田さんは、「そっとこどっこい!」なんて言っていた訳です。もちろん、褒め言葉ではありません。
こんなスキームを作って誰が歓迎すると言うのでしょう?
このようなスキームがないと、日本の民間企業は、海外に打って出たり、或いは海外の企業を買収することができないとでも言うのでしょうか。
政治家の命令で、何かを作られなければいけない。官僚としてみたら、そんなものを作っても殆んど効果などないとは思いつつも、何かを作らないといけないので‥
昔、読書感想文の宿題なんてものがあった訳です。本当に感激して感想文を書くのであれば、少しはましな作文ができそうなものですが、予め課題図書が決められていて‥で、その本を読んでも何も感じないのに、それでも感想を書かないといけなかった小学生のときのことを思い出した訳です。
だいたい、感想文って、どう書いたらいいの?
まあ、官僚たちも夏休みの宿題だと思って、形だけ整えましたというような内容に過ぎません。もし、このスキームが本当に有効なものであれば、そもそも総理の口から国民に分かり易く説明することができるものでなければならない筈ですが‥、総理が説明できるとも思えません。つまり、殆んど魂の入っていないスキームに過ぎない訳です。
すっとこどっこい! すっとこどっこい!
今回の「円高対応緊急パッケージ」には、「外国為替の持ち高報告」も含まれている訳ですが、例によって投機筋に責任をかぶせようとする姿勢がどうしてもちらついてしまうのです。
確かに、投機筋の動きが背景にあることも事実ではあると思うのですが、そもそも何故円高になるのか?
「ドルを売って円を買う人が多いから」
では、誰がドルを売るのでしょう?
「だから、投機筋」
確かに投機筋のなかには、ドル安に賭けている人も多いでしょうが‥しかし、そもそもは、日本と米国の貿易関係が、日本側にとって恒常的に黒字になる構造が続いているために、つまり、日本の輸出企業が、輸出で稼いだドルをガンガン円に交換するので、ドル安円高になる力が絶えずかかっていることを忘れてはいけません。
つまり、円高にしているのは、輸出で儲けている我が国の輸出メーカーであると言えるのです。だから、逆に円安にしたいと思うのであれば、輸出企業に対して、輸出でも手に入れたドルを円に交換するようなことは、この際お慎み下さいと言えば、少しは円高が弱まるというものです。
でも、輸出企業は、ボーっとしていると将来益々円高になって、損をしてしまうから、受け取った取ったドルを、直ぐ円に交換したいと思うでしょう。
「そうだよね」
で、そうやってドルを円に交換しようとするから、ドル安円高になってしまうということなのです。
日本の輸出企業も、為替リスクというのは、日常茶飯事のことですから、政府に何かを頼るようなことは止めたら如何でしょう? 或いは、大方の企業が、本当は政府に何も期待していないのに、政府がお節介でやっているということなのでしょうか?