- 2016年09月09日 07:04
【アメリカの保守の苦悩②】
保守系のDallas Morning Newsが「トランプ不支持」を打ち出したことをきのうご紹介しました。で、どうすんの?と思っていたら翌日、We recommend Hillary Clinton for President(クリントン氏を大統領に推薦する)と高らかに表明。
民主党の大統領候補を推すのは75年ぶりだそうです。それだけに波紋を呼んでいます。
社説はざっくりこんな内容です(全文の翻訳ではありません)。
11月に予定されている大統領選挙で真の候補は1人しかいない。われわれは、ヒラリー・クリントンを推薦する。この決断をするのは難しかった。
この新聞は、第2次世界大戦以降、民主党候補を大統領に推したことは一度もない。数えてみると、20回近い大統領選挙に及ぶ75年あまりの期間である。
民主党の政府への過剰依存と過剰規制の考えは、民間企業の創意工夫やイノベーションを信じるわれわれと立場を異にするにも関わらず判断した。われわれは、個人の自由、自由主義経済、強い国防に価値を置く。
確かにクリントンの過去の行動を批判してきた。それでもドナルド・トランプと違い、クリントンは実際の統治の経験、公務の歴史、そして真剣に政策を遂行する意思がある。2人の職歴、それに判断を比較すれば、競争にもならない。
クリントンは上院議員だった8年間、外交で手を差し伸べ、影響力を行使してきた。保守層は、彼女を単純に政党色で色分けしたがるが、実際には党派を超えて職務を行ったことで共和党の議員のリスペクトも得ている。彼女が提出した法案の3分の2については共和党議員が共同提出者となった。
オバマ政権の最初の国務長官として、中東政策やイスラム過激派への対抗策で難しい判断をしてきた。共和党系の外交専門家がそろってクリントン支持を表明したことは偶然ではない。
ポールソン元財務長官、ネグロポンテ元国家情報長官、アーミテージ元国務副長官、スコウクロフト元国家安全保障担当大統領補佐官といった共和党政権のトップ・アドバイザーの支持も得ている。
クリントンは誠実さが足りず真実を都合よくねじ曲げることを繰り返し批判されてきた。国務長官時代に私的メールを使っていたのはまさに誤った判断だった。クリントン財団との癒着の疑念が持たれないようさらに手を打つべきだ。そして、予定調和の出演やスピーチではなく記者会見をすることで国民と向き合うべきだ。
これらは欠点ではあるが、「裏切り者」や「殺人者」呼ばわりされることではない。反対者は、陰謀や隠蔽だと言いたがるが、われわれは個人攻撃ばかりの政治には反対だ。クリントンは過ちを犯し、判断力に乏しいところもあるが、トランプとは次元が違う。
トランプの価値観とは、保守主義に対して敵対的だ。移民排斥、人種差別、女嫌いを強調して、恐怖に訴える。基本原則を問うような争点でコロコロ姿勢を変えるのは、準備不足を露呈している。
さらに、すぐに侮辱的なことを言ったり、真夜中にツイッターでつぶやいたりするのは、判断力が乏しく感情をコントロールできないことを示している。
クリントンは過去40年世間にさらされ、そのうちの25年は全米の国民にさらされてきた。それだけに、彼女の実力は分かっている。短所もあるが、アメリカの安全と理想を守り、党派を超えて働くのは、クリントン以外にいない。
クリントンは何年もの間、最前線で地道に働きアメリカを率いるだけの経験を積んできた。今、この選挙で読者の皆さまの一票を投じる候補として相応しいのはクリントンである(Hillary Clinton has spent years in the trenches doing the hard work needed to prepare herself to lead our nation. In this race, at this time, she deserves your vote)。



