- 2016年09月08日 13:57
ゴミ置き場を誰が管理しているか?自治体じゃなく、自治会なんですよ。そんなことは当たり前だという意識を市民に取り戻してもらいたい - 「賢人論。」第19回(後編)熊谷俊人氏
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「これが千葉市モデルです」と胸を張れるようなモデルを実証してつくっていきたい
熊谷 市として地域での支え合い・助け合い、そして健康づくりへの取り組みに注力していくとして、その結果が数字としてどんな状況になるかというのを、市政としては追いかけて行って、なおかつ見える化して、それが広い地域…いずれは全国にまで広まるようにしていきたいんです。
みんなの介護 千葉市だけじゃなくて、千葉県だけでもなく、全国に「これが千葉市モデルです」と。それが波及していって、国を動かすぐらいの感じにしたい、と。
熊谷 和光市の「和光モデル」がまさにそれで、国をも動かしているわけですよね。あれだけ和光市として取り組みを進めていって、数値上も明らかな変化が出始めているわけですからね。「これがみんな目指していた社会だよね」という認識をもてるようなモデルを、みんなで実証してつくっていくしかないと思うんです。
国は国で、そのための全体の設計を考える。市町村は地域でそうした成果が少しでも増えるように組み上げていく。そう考えると、ここが僕ら市町村の腕の見せどころですよね。
みんなの介護 ただ、これまでのお話をまとめて考えると、最終的には自治会や小学校・中学校区レベルの地域の自主性…つまり地域力も問われることになりますね。
熊谷 その通りですね。例えばですが、街路灯って誰が管理しているかご存知ですか?あれは、自治体じゃなくて自治会が管理しているんです。ゴミ置き場って誰が管理していると思いますか?あれも地域の自治会の管理下にあって、自治会員が輪番で見て回っているんです。
こうした当たり前のことが教えられていないのは大きな問題。すべてが税金で成立していると思われていることについて、我々は「地域でやってるんですよ」「地域での活動が大事なんですよ」ということをもっと訴えていかなければならないと思っています。
みんなの介護 いつの間にか…ですが、私たちが生活している基盤はあくまで自治会レベルの地域なんだ、という意識が薄れてしまっているんですね。
熊谷 その意識を、まずは取り戻していただきたいんです。自分が住んでいる地域なんだから、自分たちがやるべきでしょ、と。その上で、自分たちでできないことを市がやるし、市でもできないのを県がやる、県ができないのを国がやるという、その大前提となる考え方に立ち返らないと。
みんなの介護 地域との関わりが薄れてきている昨今、「孤立死」といった言葉が一般化するなど、課題は確実に顕在化していますが、熊谷市長の理念が浸透すれば、問題も解決に向かうでしょうね。
熊谷 地域力の高い自治会なんかは、例えば高齢者が自宅でぱたっと倒れたときなどに、かかりつけ医がどこで、持病が何で、薬は何を飲んでいるんだ、ということまでわかるわけです。千葉市の指令システムにも反映していますので、その地域に救急隊が駆けつけたときにまずは冷蔵庫を確認して、状況を把握できる。初動に差がでて、救命率を向上させることにつながるでしょう。
そういうことをやっている地域とやっていない地域は絶対に差が出ます。地域力というものがいかに大事かをもっと皆さんに認識していただきたいですし、そのための施策にこれからも取り組んでいきたいですね。



