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いま再び活憲のススメ

 参院選の結果、再び憲法が政局の焦点に浮かび上がってきました。憲法をめぐる争点を、改憲すべてにではなく、その最悪の狙いである壊憲に絞り、護憲ではなく立憲を獲得目標にするべきだというのが、私の新しい提言です。
 加えて、もう一つの提言をさせていただきます。それはすでに以前に行ったものですが、このような情勢に際して再び強調したいと思います。

 それは「活憲」のススメということです。今から11年前、私は『活憲―「特上の国」づくりをめざして』(山吹書店、2005年)という本を出版させていただきました。
 その「はしがき」で、私は「憲法は護らなければならない。しかし、それだけでいいのか?」という問いを発しました。そして、「護るだけでなく、日々の暮らしに活かすことこそ必要だ」という回答を記しています。
 「改憲を阻むだけでは、現実がそのまま残るだけ」です。「その現実は、長年の『反憲法政治』によって、憲法の理念と大きく乖離してい」ますから、それを放置するのではなく、「現実も変えていくことが必要」だということです。

 これが「活憲」であり、「憲法の基本理念に基づいた政治を実現し、憲法を日々の暮らしに活かすこと」を意味しています。憲法を活かし憲法を再生させることが課題になります。
 そして、それによって、憲法が本来の可能性を全面的に開花させれば、どれほど風通しが良く、明るく素晴らしい未来が開けてくるのかというビジョンを打ち出す必要があります。憲法によって開かれる夢と希望が実現する新しい日本像を提起するのです。
 こうして、憲法を「護る」ことから「活かす」ことへと重点が移動することになります。守勢から攻勢へと憲法運動の発展を図ることも可能になるでしょう。

 そのために必要なことは、憲法についての学習を深めることです。小さなグループで自民党憲法草案と現行憲法との対照表を用いてじっくり比較するのが良いでしょう。
 憲法とはどうあってはならないかを実際に条文化した格好の教材が自民党の憲法草案です。それと対比しながら各条文の意味や意義を学べば、憲法に対する理解が一段と深まるにちがいありません。
 そのことによって、「壊憲」が生み出す社会の恐ろしさと現行憲法が目指している社会のすばらしさが認識されるでしょう。自民党による長年の「反憲法政治」によって憲法の理念と大きく乖離してしまっている現実をそのまま受け入れるのではなく、そのような歪んだ現実を理念に近づけていく努力こそが求められているということが良く理解されるのではないでしょうか。

 安保法の発動や米軍基地の強化、自衛隊の増強などに反対し、平和を求める9条理念の具体化を図ることが必要です。基本的人権の尊重などの憲法理念についても、その具体化を目指さなければなりません。
 ヘイトクライムや障害者、女性、少数者への差別などに反対して人権を守ること、マスメディアへの介入や規制を許さず報道の自由や知る権利を擁護すること、政治的中立を名目とした集会規制や教育への介入などを許さないこと、非正規労働者の処遇改善やブラックバイトの是正、職場での労働者の権利拡大など、社会生活と労働の各分野における民主主義の確立に努めることが大切です。
 憲法が保障する権利や自由、民主主義が行き渡っていけば、どれほど明るく希望にあふれた社会に変わるのか。そのような展望とビジョンを示さなければなりません。

 憲法が蹂躙されている「今」を告発し、さらなる改悪を阻止するだけでなく、それが活かされた場合の「明日」を豊かに描くことが必要です。それによってはじめて、憲法がめざしている社会に向けての夢と希望が湧いてくるにちがいないのですから……。

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