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4度目の悪夢 - 鈴木耕

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 なお、この「横浜事件」については、遺族らによる長く苦しい裁判闘争が行われた。その経過をざっと述べておく。

 2006年2月の横浜地裁、07年東京高裁、08年最高裁は、いずれも遺族らの訴えを棄却した。「起訴の根拠となった治安維持法はすでに失効しており、被告人は恩赦を受けており、被告人の上訴申し立てはその利益を欠き、不適法」として「免訴」という門前払い。

 だが、第4次再審第一審の横浜地裁は2009年、事件そのものは免訴としたものの、事件被告は無罪である可能性を示唆。「無罪でなければ名誉回復が図れない、という遺族らの心情は十分に理解できる」として、刑事補償手続きでの名誉回復に言及。

 2010年、横浜地裁は元被告5名に対し、請求通り約4700万円を交付する決定を行った。決定の中で大島隆明裁判長は「特高警察による拷問」を認定。「警察、検察、裁判所の故意、過失は重大」とも述べ、事実上、事件が冤罪であったことを裁判所が認めたのだ。

 いったん権力の網に絡め取られれば、それがいかに冤罪であろうとも、その無実を晴らすには長大な年月と、決して諦めない決意が必要となる。「横浜事件」は、その発端からようやくの結末まで、実に68年という気の遠くなるような年月を要したことになる。

 権力に自らの非を認めさせるためには、それほど言語に絶する厳しい闘いが必要なのだ。

 最近の警察の動きは、なんだか不穏だ。

 大分県での、市民団体への違法な監視カメラの設置。あれはやはり、市民運動潰しを意図したものだったというしかない。だが、県警幹部の謝罪会見は二転三転。口先だけの言い逃れに終始、悪いと思っている様子はまったく見られなかった。真摯に反省しているとはとても思えない。

 沖縄高江での、全国からかき集められた機動隊の、常軌を逸したとしか思えないヘリパッド反対派への弾圧。86歳のおばあにまで5針も縫うけがを負わせるなど、まさに容赦ない凄まじさだ。さらに、高江では地元新聞記者を、一時的に拘束状態にして取材妨害するという信じられない挙に出ている。

 取材妨害に対する沖縄タイムス、琉球新報の抗議に対しても、県警側は「腕章も記者章も提示せず、取材だとは分からなかった」という釈明。しかし、記者が「社員証を示し一度は解放されたが、再度拘束された」と言っている。しかも二つの新聞社の記者が同じ目にあっているのだ。これも、警察のデタラメな言い逃れでしかない。

 また、経産省の脱原発テント村を取材していたフリーカメラマンを逮捕するなど、警察の取材への妨害が目につく。

 昨年の国会前での大集会でも、装甲車を並べて広い道路を狭めてデモ隊を歩道に押し込め、失神者が出るほどの過剰警備だった。

 安倍政権になってから、デモや抗議行動に対する警備の仕方がそうとうに厳しくなったような気がする。

 「共謀罪」は、警察権力をさらに強大にしてしまう。

 我々はいま、殿戦(しんがりせん=後退戦)を強いられている。だが、このままずるずると退き下がるわけにはいかない。平穏にデモをする権利、抗議の声を挙げる自由を、決して手放してはならない。

 4度目の悪夢は、夢のままに終わらせる!

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