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原発従事者の健康被害に関する疫学調査について

原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査

一番大事なところは前回ピックアップしてしまったので、書かなかった要点、考え方だけ簡単に書いておきます。

大事なページだけピックアップしておきます。

P59にて、生活習慣との関連についての考察があります。実は今回の調査では飲酒や喫煙に関する調査を全員に対して行えていません。恐らく現在進行している調査ではちゃんとフォローしているものと思われますが、既になくなってしまった人などフォロー出来ていないデータがあるわけです。

また、累積線量と喫煙量や飲酒量が比例しているという変なデータが取れていますが、他に娯楽がないなどの作業環境が影響しているのかもしれません。

喫煙者と非喫煙者で比較するのが一番良いのですが、そういう比較は出来ていません。若い人の喫煙率が低めなので、今後そういうデータが取れてくるものと思われます。

あと累積線量といっても、作業している2-3時間の間に受けた高めの放射線暴露を積み上げているので、福島第一原発周囲の10km圏や20km圏での比較的低めの累積線量の積み上げではさらにその影響が低いと考えるのが自然です。但し、ここでのデータは外部被曝がほとんどなので、内部被曝の影響はチェルノブイリの方を参考にするべきです。

一方、逆に今現在、福島第一で働いている人達に関しては、もう少し強めの影響が出てもおかしくないと考えるべきでしょう。この考え方の背景は別途説明してみます。

普通に考えると、喫煙+飲酒+放射能の影響が相加的にでてくると考えられるので、今現在、福島第一原発で働いている人達に関しては希望者には禁煙プログラムを無料で受けて貰うなどの措置がなされると良いと思います。

P60-61に考察のまとめがあります。ここだけでも読んで貰えれば、調査の結果はだいたいわかります。

外部比較とは原子力発電所で働いていた人と一般の人との比較、内部比較とは原子力発電所で働いていた人の中で累積線量の多さにより分けた人同士の比較です。

p69にその他のコーホート研究との比較が載っています。全体的に言えることは、累積線量との相関がはっきりとある癌はないということが読み取れます。
有意差にかなりばらつきがあるのは、生活習慣の違い、および人種間の感受性の違いの可能性があります。但し、人種間の違いに関しては、一般のコーホート研究を比較することで分かると思います。

P60-61の考察では多発性骨髄腫との関連性は低いと書かれていますが、有意差がついているデータが二つ。つきかけているのが二つあります。
多発性骨髄腫は悪性度が高くない症例も沢山あるのですが、喫煙との関連性はそこまで高くないので、現在原発で働いている人は対策をしていても悪くないと思います。
実際、そういう提言をしている団体もあります。ところが、政府も含めてこれに反対している人がいるそうですが、その意見に妥当性はあまり見出せません。少なくとも、リスクをちゃんと説明した上で、希望者には無料で幹細胞保存をするべきだと思います。

原発で働いている人は将来、何らかの疾患にかかっても一切責任を東電に問いませんという書類にサインさせられているそうです。棄民棄民と騒ぐなら、むしろ、こちらの方を問題にするべきです。少なくとも、東電は原発労働者向けの保険をつくって、その保険料は払うべきです。

多発性骨髄腫の治療:[がん情報サービス]

政府が認めない原発作業員の末梢血幹細胞保存 前編:作業員の自己末梢血幹細胞採取は正当化されるか? JBpress(日本ビジネスプレス)

原発ルポの鈴木智彦氏が採取第1号に 後編:原発作業員の自己末梢血幹細胞採取は正当化されるか? JBpress(日本ビジネスプレス)

原発作業員のための自己末梢血幹細胞保存について - 先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門 Information

周辺住民の方々に関しては心配はないと思われますが、リスクマネージメントは人それぞれですので、どうしても気になる方は末梢血幹細胞保存、もしくは骨髄バンクの登録をするのも手です。但し、これは放射能障害というより、自然発症の白血病対策と考えるのが妥当ですし、それなりにコストもかかります。

P70に喫煙や飲酒のデータが載っています。また、P102が喫煙に関連する疾患との内部比較のデータです。互いに相関が認められるので、本来なら喫煙と飲酒の影響をカットしたデータで比較するべきですが、喫煙と飲酒のデータが揃っていなかったため出来なかったとのことです。

P85-86に各疾患における予想される死亡者数と、実際の死亡者数の比較があります。喫煙に関係する癌以外ではむしろ健康的であることが読み取れます。

P89-92に各疾患毎の内部比較のデータがあります。喫煙に関係する癌以外では有意差がついていないのがわかります。

P106が前回取り上げた表で、呼吸器、循環器系疾患では有意に健康的になっているのがわかります。また、内部比較においては、P104-105で示されているように差がないのがわかります。ということは、ホルミシス効果は低い放射線被曝でも認められると考えるか、そもそもコントロールの取り方が正しかったのかを疑う必要があります。

とはいえ、原発で働いていた人がどんな生活をしていたか、想像してみてください。
恐らく単身もしくは家族と離れて生活していたでしょう。ということは、食事は外食が多かったと思われます。原発は田舎にあるので、レジャーも少なく、自ずとパチンコ、麻雀といった受動喫煙の多い環境で遊んでいた可能性も高いでしょう。

そう考えると、やはり、何らかのホルミシス効果があったと考えてもおかしくありません。

例えば、このデータを体内から放射線の影響を取り除く新薬の臨床試験のデータとしてみたらどうでしょうか?健康労働者効果などといった考察をするでしょうか?間違いなく、薬の効果は認められたという結論になるでしょう。

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