記事

「ハンセン病とバチカン」―ハンセン病に対する勧告―

教皇フランシスコ聖下のお話の中にたびたび悪い例え話としてレパー(ハンセン病への差別語)なる言葉が使われた。私は今後はお使いにならないようにとのお願いの文書を二度送付したが、教皇さまはお読みになっておられないと直感した。

もっと建設的な方法でこの問題を解決したいと考え、法王庁と日本財団の共催でハンセン病を考える国際シンポジウムの開催を申し入れたところ、快諾を戴き、既に6月9日10日とバチカンで行われた会議は実り多いものであったことは、7月11日13日15日のブログで報告した通りである。

このたびバチカンより、この国際会議、正式には「ハンセン病患者・回復者の尊厳の尊重とホリスティック・ケアに向けて」の最終文書「結論と勧告」がイタリア語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、英語の5ヶ国語でカトリックの全ての教会に配布されたことになり、12億人のカトリック信者に多大な影響力を行使してくれるものと期待しているところである。

なお、日本語訳は日本財団で翻訳したが、5ページと長文なので、重要な点を下記に掲載します。

*****************

【勧告】

2つの基本点

1. ハンセン病の患者・回復者がこの病気と病気に起因する差別と闘う主要なアクターであると認識されなければならない。こうした彼らの関わりこそが、社会的包摂のための平等な尊厳および権利を認識させ、スティグマを打破することができる。この点は下に列記した勧告のすべてに当てはまる。

2. スティグマをより強める差別的な言葉、特に「leper」及び他言語における同様の用語の使用をやめるべきである。この用語は上記で説明した理由に加え、病気により個人を定義するゆえ侮蔑的である。そして、「leprosy」という言葉を比喩として使用することも避けるべきである。

5点の勧告
1. 全ての宗教指導者は、それぞれの信者団体において重要な役割を担っている以上、重要かつ緊急の課題として、教義、書物、演説においてハンセン病は治る病気であり、ハンセン病患者・回復者やその家族を差別する理由など一切ないことを人々に広く知らしめ、ハンセン病患者・回復者に対する差別を撤廃に向けて尽力すべきである。

2. 各国政府には、ハンセン病患者・回復者および家族に対する差別の撤廃に関し2010年に国連総会が採択した決議に付随する「原則及びガイドライン」の実施のため最大限の努力をすることを奨励する。「原則及びガイドライン」は完全に実施されなければならない。さもないと、ただ単に空虚な宣言として残るだけである。

3. ハンセン病患者・回復者に対する差別法や規制を修正もしくは撤廃すべきである。家族、職場、学校、その他直接間接にハンセン病患者・回復者を差別する政策は、ハンセン病を理由とした差別は許されないとの認識の下に変更されなければならない。

4. ハンセン病及びその合併症の予防と治療を促進するため、新たな治療法の確立を目指して、さらなる科学的研究が必要である。

5. ハンセン病およびそれに起因する差別のない世界の実現に向けて、全ての教会、宗教団体、国際組織、政府、主要な財団、NGO、病気との闘いに尽力してきたハンセン病患者・回復者の協会が一致団結して、協力に向けての共同計画を策定すべきである。

あわせて読みたい

「ハンセン病」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    コロナで「地方の息苦しさ」露呈

    内藤忍

  2. 2

    乳首にシール貼らせ? 逮捕の社長

    阿曽山大噴火

  3. 3

    コロナの恐怖煽り視聴率を稼ぐTV

    PRESIDENT Online

  4. 4

    周庭氏の力 新たな目線が中国に

    倉本圭造

  5. 5

    昼カラ実態「過激なキャバクラ」

    NEWSポストセブン

  6. 6

    田原氏 取材者がTVで訴える意義

    たかまつなな

  7. 7

    宗男氏「玉木代表は保守政治家」

    鈴木宗男

  8. 8

    玉木代表は合流賛成派に耳貸すな

    早川忠孝

  9. 9

    管楽器が演奏できるマスクが発売

    BLOGOS しらべる部

  10. 10

    周庭氏過去に「日本留学したい」

    田中龍作

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。