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ここにこそ活路がある―参院選の結果と野党共闘の成果(その3)

〔以下の論攷は、『月刊 全労連』9月号、に掲載されたものです。3回に分けてアップします。〕

3、新たな共同の展望

プレハブから本格的な建物に

 今回の野党共闘は突貫工事でプレハブを建てたようなものであった。昨年9月に共産党が「国民連合政権」を提唱することで政治課題として浮上し、それは今年2月に5党合意として結実した。3月の衆院北海道5区補選で一定の効果が実証され、6月の参院選に向けて1人区での共闘が実現した。最後の佐賀での統一候補の擁立が決まったのは5月31日のことである。この間、合意がなってから半年もない。

 このプレハブを風雪に耐える本格的な建物にするのが、これからの課題である。これは野党連合の新政権作りに本格的に取りかかるということでもある。

 そのためには、第1に、この間のたたかいで培われた市民や野党間の多様なつながりや信頼関係を大切にし、発展させることによって主体的な力を強めることであり、第2に、アベ政治後のビジョンを提示して明るく夢のある未来像をしめすことによって政策的な魅力を高めることであり、第3に、労働組合運動など大衆運動分野での一点共闘を拡大することによって草の根からの連合政権の土台作りをはじめることである。

 また、戦争法が施行され、今回の参院選で改憲勢力が衆参両院で3分の2を超え、いつでも改憲発議できる「危険水域」に突入した。戦争法廃止を目指すとともに、その発動を阻止し、改憲派にたいする批判を強めて憲法学習を推進し、改憲阻止のたたかいを進めることが重要になっている。

連合政権樹立に向けての準備を始める

 近い将来における解散・総選挙をめざし、連合政権樹立に向けて政権交代への準備を始めなければならない。政策的一致、国会内での協力、選挙への取り組みなど野党4党間での共同を拡大し、今後の首長選挙や地方議員選挙、衆院補選などでの野党共闘を実現して解散・総選挙でも野党統一候補の擁立をめざすことである。

 とりわけ、政策的準備が重要であり、通常国会での共同提出法案や参院選での確認事項を踏まえ、臨時国会で野党共同の法案提出などを進めながら、外交・安全保障、米軍基地、自衛隊、税制、TPP,エネルギーなどの基本政策での合意形成に努めることである。

 このような準備を行ってこそ、総選挙での共闘も連合政権の樹立も可能となる。今回の参院選での得票を基に、『北海道新聞』は総選挙で共闘した場合の議席を試算している。それによれば、北海道内では野党側が10勝2敗になるという(北海道新聞 7月19日付)。

 ここにこそ展望がある。そして、活路はここにしかない。天下分け目の「関ケ原の合戦」は始まったばかりだ。本格的な対決は次に持ち越しとなった。解散・総選挙がさし当りの政治決戦となろう。参院選での成果を確信にして教訓を学び、より効果的で緊密な共闘のあり方や魅力的な候補者の擁立に向けての模索と研究が不可欠である。

 アベノミクスではなく野党共闘こそが、いまだ「道半ば」なのだ。安倍首相ではないが、アベ政治のストップに向けて「この道を、力強く、前へ」。

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