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民進党代表選に苦言を呈するー自己満足だよ民進党

民進党、岡田代表の辞任表明を受けて、時期代表を選ぶ代表選に向けた動きが活発化している。投開票は9月15日。

 最初に名乗りを上げたのは、蓮舫代表代行。党本部での記者会見での立候補表明に続いて、外国特派員協会でも記者会見を行うという力の入れよう。岡田代表のことを「本当につまらない男だと思います。」と発言して物議を醸し出したが、それも彼女流のジョークであり、話題を作って関心を更に惹きつけるための一つの演出でもあったようだ。結果として、民進党代表選候補者としての蓮舫氏への注目は否が応でも高まっていると言っていいだろう。

 次に立候補を表明したのは、前原誠司衆議院議員。民主党時代に代表を務めたこともある御仁で、代表選がある度に立候補が取り沙汰されてきた。「言うだけ番長」の異名を持つ前原氏、今回も「言うだけ」かと思ったが、26日に立候補を正式表明。

 同じ26日、民進党は代表選への立候補予定者を対象にした事前説明会を開催、蓮舫氏、前原氏の外、長島昭久氏、玉木雄一郎氏、原口一博氏、井出庸生氏が参加。蓮舫、前原両氏以外は立候補を正式表明はしていないし、告示は9月2日で、立候補には推薦人20名を集めなければならないから、これら6陣営が全て代表選に出られる訳ではないと思われるが、これで「役者」は出揃ったと考えていいだろう。(なお、井出氏については、あくまでも旧維新系グループを代表して説明会に出席しただけであると考えられ、同氏が立候補するということはないだろう。)

 もっとも、現時点で既に蓮舫氏が次期代表に選出されるであろうことが確実視されている。投票は国会議員、地方議員だけでなく党員・サポーターも参加でき、特に党員・サポーター票の多くは蓮舫氏に行くのではないかと考えられていることが、その根拠の一つとして挙げられている。

 ただ、蓮舫氏、その人気は揺るぎないものではあるが、その政策的能力や素養には疑問を持たざるを得ない。そもそも、蓮舫氏の公表されている経歴を見る限り、彼女の政策的能力や素養を裏付けるようなものはないと言っていい。蓮舫氏は、記者会見において、今回の代表選は政権選択のスタートと位置づけ、そのためには信頼回復が必要であり、批判ばかりではなく対案を出す政党に脱皮し、そうしたことを通じて有権者に選んでもらえる政党になることを目指すとしている。

 提案型の政党という点では、かつてのみんなの党は最初からそれを標榜していたし、それを受け継いだ結いの党、維新の党もそうであった。国会での質疑は提案型を軸として政策論争に徹していた。したがって、民進党内の旧維新グループはそもそも提案型の政党という素養を持っていると言える。しかし、旧民主系は与党の閣僚の足を引っ張ることに終始したりすることも多く、「批判ばかり」以前であると言ってしまってもいいような状況である。

 つまり、提案型に脱皮するためには、この旧民主系の体質改善が不可欠なのであるが、その「批判」や足を引っ張る急先鋒が他でもない蓮舫氏である。彼女が対案や提案を含めた質疑をしている場面というものを、筆者に限った話で言えば見たことがない。強いてあったとして、批判の一部として対案的なものを織り交ぜている程度である。

 その蓮舫氏、記者会見でアベノミクスの対案として分配の在り方を大きく変えたいと得意げに語っていた。しかし、具体的な中身に踏み込むことはなかった。アベノミクスはいわゆる三本の矢で構成されている。彼女が対案として言及したのはそのうちの2本目の矢である財政政策の一部についてのみである。無論、分配の在り方を変えようという総論自体は検討に値する話であり、悪いことではない。しかし、各論が見えない。加えて、1本目の矢である金融政策や3本目の矢である成長戦略はどうするのか、未だ「対案」は示されていない。

 それで「対案を出す政党」と言われても、看板に偽りありでのっけから躓いているとしか形容しようがないし、「対案を出す」とか「分配の在り方を変える」とかいった、耳障りのいい表現を使って、とりあえず新しさを演出して人気取りに走っていると考えられてもおかしくない。

 結局は自分の将来を見据えた、そのための代表選立候補なのね、と思わざるを得ない。

 現時点で立候補を正式表明しているもう一人、前原氏については、今回の立候補は、民進党に前原誠司ありという「旗」を立てたいという意図が大きいのではないかと考えられる。蓮舫氏の人気が揺るぎないものであることは否定しようがないが、無投票で、代表選をする前から全党一致のようになってしまえば、自分は埋没しかねない、そうした危機感が前原氏にはあるのではないか。天下国家を論じるテイを見せて、実は自分のため、自らの影響力の確保・維持のためということである。

 もっとも、推薦人を20人集められないのではないかとの見解も聞かれるので、そもそも立候補できないという可能性も否定できないが。

 民進党自体が、旧民主系を中心として「無党派層」の集まりのようなものといって言い状態であるから、代表選、優勢かつ自分に利ありと判断すれば雪崩を打ってその候補につくという動きになるだろう。今回は蓮舫氏が優勢とされているから、様子を見、いろいろと勿体をつけつつも、結局は国会議員も多くは蓮舫氏支持に流れるということなるのだろう。(無論、あえて逆張りという選択をする議員も少ないながらいるとは思われるが。)

 ただそこに見えてくるのは、本来は選択肢を提示すべきなのに、国民の生活やこの国の将来は二の次で、自らの保身や国会議員としての権力欲を満たすことに終始し、自己満足の党内政治ごっこに明け暮れる野党の姿である。これでは信頼を回復するどころか、民進党離れを加速化することになりかねないだろう。

 さて、このまま国民不在で突き進むのか、どこかで軌道修正が図られるのか、しばし高みの見物といこうか。

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