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熊本県益城町の避難者の42%、高齢者のみ世帯

高齢者に重くのしかかる被害
8月末には避難所を1ヵ所に


熊本地震で最も甚大な被害が出た益城町で行われた避難所利用者の状況調査結果が8月24日、益城町役場で日本財団から記者発表されました。それによると、8月5日時点で364世帯915人が避難所生活をしており、このうち152世帯(42%)は65歳以上の高齢者のみの世帯で、地震被害が高齢者に重くのしかかっている実態が改めて明らかになりました。この調査を受けて益城町は避難所の統合を進め、8月末には1ヵ所にする予定です。

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(右から)会見する安田弘人・益城町復興課長、青柳光昌・日本財団上席チームリーダー、田村太郎・ダイバーシティ研究所代表理事

調査は日本財団が一般社団法人ダイバーシティ研究所に委託して7月29日~8月5日に行われました。日本財団が益城町でこうした調査を行うのは今回で3回目。まず益城町内12ヵ所の避難所を訪問調査したところ、避難所で生活する被災者は、地震発生2カ月後に比べ半減しているものの、調査時点ではなお364世帯915人に上っていることが分かりました。

このうち183世帯は仮設住宅への移行が決まっているが、86世帯は現在も住居の見通しが立たない状態にあります。また、前者のうちの77世帯(42%)、後者のうちの39世帯(45%)は高齢者のみの世帯で、77世帯のうち34世帯は一人暮らしとなっています。

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図1:仮設住宅へ移行する世帯



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表1:避難所利用者の今後の住居の予定



避難所を利用している915人のうち99人は介護など要援護者。仮設住宅に移行する高齢者のみの77世帯のうち58世帯は「通院している」、43世帯は「服薬している」と答える(複数回答)など福祉・医療面のニーズも高い数字となっています。
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表2:仮設住宅への移行を希望している77世帯の医療・福祉ニーズ



建設予定も含めた仮設住宅計12ヵ所の病院・診療所へのアクセスは、7ヵ所が徒歩15分圏内あるいは公共交通機関を利用できるのに対し、5ヵ所は公共交通機関の利用が困難と、場所によってかなりの差が出ています。

今回の調査結果と、日本財団が5月に行った調査結果を参考に、益城町が計画する仮設住宅1492戸すべてに被災者が移り住んだ場合、26.8%の400世帯が高齢者のみの世帯になると推計されます。同町の高齢者のみの世帯割合は9.9%(2010年国勢調査)となっており、仮設住宅に高齢者が集中する形で、背景には年金生活のため地震で壊れた自宅を補修する資金のメドが立たないという事情があるとみられます。

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図2:仮設住宅に移行する高齢者のみの世帯(77世帯)の家屋被害状況



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震災直後は被災者の多くが避難所に(4月26日 益城町総合体育館)

記者発表に同席した安田弘人・益城町復興課長は「日本財団の調査から、どの避難所にどういった世帯がいるのか明らかになり、避難所の統合を進めることができた。現在の避難所は5ヵ所、8月末には避難所は総合体育館の1ヵ所のみとなります。各避難所に張り付いていた職員が通常業務に戻ったり、復興作業に移ったりすることができる」と復興への意気込みを語りました。

益城町では8月23日現在、459人が避難所で生活をしています。8月末まで仮設住宅の第4次募集を受け付けており、これまで申込ができてない人、仮設にしか行くことができない人など、対面での聞き取りを行い、避難者の状況にあわせて丁寧な対応をしていく方針です。

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