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新聞の変身をどう見るか

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 今朝の新聞受けを見て、一瞬、これは何だろうと思った。いつもの新聞でなく広告物が入っているのかと思ったら、よく見ると朝日新聞の題字があった。テーブルで広げたら、本紙の外側を特集面で覆っているのがすぐわかった。「本日は特別紙面でお届します。通常紙面は2枚目からになります。」という注意書きに気づいたのは、そのあとのことだった。

 この紙面構成は、私としては過去に記憶がない。従来の感覚なら、特集として二つ折りの真ん中に入れ、取り出して独立させてもいいように作るだろう。それを逆転の発想で、特集で本紙を包むようにしたのが新しいというわけだ。特集の見出しは「41の輝き」だから、リオ・オリンピックのメダリストの活躍をまとめたものだろう。オリンピックの余韻がさめないうちに、総まとめとして読者に喜ばれると思ったに違いない。
 新聞社としたら、読者に支持されることが経営の基盤になる。この特集の作り方も、顧客へのサービスのつもりで工夫したのだろうが、私の感覚は逆だった。期間中はテレビも新聞もオリンピック一色になってしまったのが、むしろ不安だった。沖縄・高江の抗議行動も、経産省前テントの強制撤去も、埋没して伝わらないような気がしていた。ようやくオリンピックが閉会して通常に戻るかと期待していたところへこの特集だから、「またかよ」と感じたのだった。

 テレビは時間を、新聞は紙面を使って報道する。時間も紙面も限りがあるから編集しなければならない。そこで編集の手腕が発揮される。亡くなったばかりの「むのたけじ」氏の言葉に、「いちばん恐ろしいのは、軍の命令よりも自主規制だった」という反省があった。今はオリンピックさえ扱っていれば安心で安全だという安易さが横たわっているような気がする。今の日本は、他のことを何も考えなくても安心で安全な国なのだろうか。

 私は戦前戦中を含めて、ずっと朝日新聞を読んできた。アパートの貧乏暮らしの時にも切らすことはなかった。だが、紙面を開く時間はずっと少なくなった。家族もいるから購読はやめないが、5分ほどで全部の紙面の主な見出しは見ていたのが、最近は表紙の目次だけで済ますことが多くなった。おもな情報源は、明らかに新聞から離れている。

 それでも朝日新聞は「お客さまに支持される紙面」づくりを続けて行くのだろう。時にはすぐれた論説を読ませて貰うこともあるが、ネットの話題で気がついて記事を探す場合が多くなった。新聞の未来がどうなって行くのか、正直に言って私にはもうわからない。

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