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マッキンゼーの「経営分析」手法をオリンピック調査に応用

 都政改革本部の調査チームは、どういう調査をするのでしょうか?最初は、書類、データを集め、ヒアリング、アンケートなどで事実と数字をひたすら集める。つまり現状整理をやります。

 ことの良し悪しはさておき、誰が何を決めてきたのか、どこでどういうお金が使われたか、あるいは使う計画か、どこの組織がどういう権限で意思決定や投資の判断をしているか、など淡々と整理して情報公開していくことになるでしょう。

 その過程で「わからないこと」「誤解を招きそうな資料や表現」「黒塗り非公開」の資料にも遭遇するでしょう。それらについてもなぜそうなっているのか、制度に照らして考えていきます。

○目的はあくまで「改革」

 しかし誤解されては困るのですが、調査の目的は不正や失敗を暴くことではありません。結果的にそういう展開になることもありえますが調査チームの仕事は検察や国税がやる調査とは目的も手法も異なります。

 目的は、

第1に都民に都庁の仕事と税金の使い途をわかりやすく説明すること、

第2に知事が都庁や出資団体の方針や仕事ぶりを良い方向に導くお手伝いをすることです

 つまり、関係者が真の課題を深く理解し、新たな方針を自ら考え、自ら逐次修正できる組織、体制、風土に変えていくことの側面支援が調査チームの役割です。

 例えば、オリンピック調査チームの目的は、あくまでオリンピックを成功させることです。そのためには、財源に限りがある出費のチェックや組織運営体制の見直しを提言するかもしれません。でも今のままでいいのかもしれません。それは調べてみないとわからない。そして最後は知事の判断です。調査チームは知事(本部長)に判断材料を提供するのです。

 ひつこいですがオリンピック調査チームの目的はあくまで「効率的でインパクトが大きくて、都民の納得が得られ、かつ全国や世界の人たちがしみじみよかったね!といえる大会にしていくこと」です。いわゆる利権追及が結果的になされる可能性は否定できない。その兆しが見えたら、是正しなければならない。別途、その方面の調査は必要です。しかし、最初からそれを狙って都政改革本部が作られたわけではありません。

○マッキンゼー方式

 さて、報告書はどういうものになるのでしょう。基本はパワーポイントを使ったプレゼンテーション資料の形式です。お役所言葉だらけの抽象的文書や学術論文風の文章をだらだら書くことはしません。もちろん読んだだけで理解いただくためにプレゼンテーションをを口述筆記したものも事後には活字化されると思います。しかし、文章レトリックに内容が左右されないよう、できるだけ事実と数字を列挙して報告書は作っていきます。

 論理構成はどうなるのでしょう?一つのイメージがこの本です。

 時事通信社刊『住民幸福度に基づく都市の実力評価―GDP志向型モデルから市民の等身大ハッピネス(NPH)へ』

 これは私が新潟市で政策改革本部の前身の都市政策研究所の所長をやっていたときに調査の成果をまとめて監修した本です。

 この本では、マッキンゼーの経営分析の手法を産業政策から米作りまで広く応用し、新潟市の現状と課題を分析しています。

 特徴は数字を使った図表が多いこと、そして現状分析➡課題分析➡解決策に至るロジックモデルの展開です。ご興味ある方は、ぜひ、お読みください。

 なお、今回の都政改革本部の調査の対象は、「オリンピック」というイベント事業やスポーツ施設への投資、そして運営の組織です。また都庁の「情報公開」のあり方も見直していきます。新潟市のような都市政策の見直しではない。しかし、調査の手法は全く同じです。対象はビジネス、政策、イベント、組織と違っても、マッキンゼーの調査手法がおおむね応用可能です。

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