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八月十五日、靖国神社にて

我が国を守ってきたのは、戦前と戦後の連続性である。
即ち、遙か太古の国の肇(はじまり)から現在に至るまでの我が国の連続性が我が国を守っている。
その連続性は、何よりも万世一系の天皇に顕れていると同時に、事に遭遇して黙々と任務を遂行する日本国民の姿に顕れる。
靖国神社は、その任務を遂行した人々を祀っている神社である。
明治天皇の御製に
敷島の大和心のををしさはことあるときそあらわれにける
とある。
靖国神社には、御製にある「大和心のををしさ」を顕した人々が祀られている。
従って、天皇と靖国神社は、ともに我が国の連続性を示し続ける。

なるほど、我が国の政治制度と法制度は、敗戦による連合軍の占領期の昭和二十二年五月三日の「日本国憲法」施行により戦前と戦後が断絶しているように教えられてきた。
しかし、「ことあるとき」に顕れてきたものは、日本と日本人の連続性である。
日本人は意識しなくとも、近隣諸国がこのことを確認している。

「日本国憲法」に象徴される「枠組み」が日本を表層においてだけ七十一年間も「戦後」に閉じこめているが、「ことあるとき」の日本人には、その「枠組み」はない。

間近くは、東日本大震災と巨大地震の被災地においてこれが示された。
福島第一原子力発電所の原子炉冷却のために、地上では、決死の覚悟で爆発した原子炉建屋に接近する自衛官達と吉田昌郎原発所長と東電職員がおり、上空には、破壊された原子炉建屋の上空に、CH47チヌークをホバーリングさせて四十トンの水を投下する自衛官達がいた。
それを観た、中共軍の「観戦武官」は、「あれは、特攻だ」「日本人は戦前から変わっていない。簡単に命をかけてくる」と言った。
アメリカ軍の将軍は、自衛隊の将校に、「人の命を何とも思わないような作戦はやめろ」と言った。

中国人やアメリカ人は、この日本人達は、靖国神社に祀られている英霊と同じだと思ったのだ。
靖国神社の抑止力の本質は、ここにある。
八月十五日、靖国神社境内で、遙か南西方面の東シナ海の空海域で、中共軍の攻勢から、我が領海と領空を守っている海上保安官と自衛官のことをしきりに思い、この靖国神社の英霊が、彼らを励ましているのを感じた。
靖国神社の英霊が、生きて彼らに任務を遂行させているのを感じた。
反対から言えば、靖国神社の英霊が、支那人に、「これ以上行けば、恐ろしいことになる」と思わせている。

このように、八月十五日、靖国神社の境内で思った、靖国神社は生きている。
英霊は生きている。
英霊の護国の鬼になる誓いは本当だ。
そして靖国神社から、まさに今、東シナ海の海空域で任務を果たしている自衛隊員と海上保安官に心から感謝した。

同時に、靖国神社から、我が国の肇からの連続性を顕しておられる天皇陛下を思う。
陛下は、八月八日のお言葉で、「天皇の務めとして、何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えてきましたが、同時に事にあたっては、時として人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切なことと考えてきました。」とおっしゃり、さらに「天皇として大切な、国民を思い、国民のために祈るという務めを、人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは、幸せなことでした。」と述べられた。
このように、天皇陛下は、祈ることが「天皇として大切な務め」と繰り返された。
そして、戦没者英霊を大切にされ、昨年は、パラオ共和国ペリリュー島へ本年は、フィリピンへ行幸啓されて、深く頭を下げて慰霊されてきた。

そこで、畏れおおいことながら申し上げる。
天皇陛下におかれては、如何ばかり、靖国神社への御親拝を望まれているのか、と。
天皇陛下におかれては、行幸啓がかなった硫黄島やサイパンやペリリューやフィリピンだけではなく、広大な全戦域の全戦没者が祀られている九段の明治天皇が創建された靖国神社に、如何ばかり参拝されたく思われているだろうか。

そのようなとき、ともに靖国神社に、昇殿参拝したご婦人が言われた。

天皇陛下の、この度の生前御退位の御意向は、

靖国神社への御親拝の為ではありませんか!

天皇としての靖国神社への御親拝を、「政治」が阻むのであれば、退位してから参拝して、大切な務めを果たそう、とのお考えではありませんか。

このご婦人の言葉、深く心にしみたのである。

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