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行政府の中では内閣法制局の法解釈が絶対的権威を持つが・・・

民主党政権時代に内閣法制局長官の国会での答弁を事実上禁止した方がいる、という話を皆さんご存知だろうか。

内閣法制局長官に答弁をさせないのは、法令解釈についての責任を持つのは国会議員でなければならない、国会議員たる国務大臣でなければならない、という発想からである。
うーん、そこまで法令の解釈に通暁した国会議員や大臣がいるかなあ、と私は外野席から見ていて危ぶんでいたのだが、民主党政権時代には、様々な憲法問題や法律問題について胸を張って国会答弁を一手に引き受けた人がいる。

現在民進党の幹事長を務めている枝野氏である。
確か仙谷氏もそうだったと思う。

当時の民主党の中では確かに法的素養があり、その類稀な弁舌能力というか相手を煙に巻く能力でしばしば相手を圧倒してしまうところがあったが、しかしその答弁が本当に正しかったかは何とも言えないところがある。

内閣法制局は、行政府におられる方々には絶対的な法の権威に映るだろうが、立法府にいる国会議員からすれば、あくまで、法令解釈の整合性や安定性を確保するために、法の統一的解釈を参考的に述べる内閣に所属する一機関でしかない。

役所の皆さんにとっては、内閣法制局の審査が通らなければ省庁の担当者が起案した法律案や法律改正案が日の目を見ることはないのだから、益々絶対的な存在のように見えるだろう。

法律案を起案する省庁の担当者の立場からすると、内閣法制局は法令審査の最高権威で、担当者レベルでは絶対に乗り越えられない至高の存在ということになるが、そういう見解が通用するのは行政府の中だけで、一歩外へ出るとなかなかそうはいかない、そこまでの絶対的権威は内閣法制局にはない、ということを知っておかれたらいい。

それが証拠に、内閣法制局の審査がなかなか通らないときに、省庁側はどうするか、ということを考えられたらいい。
閣法でダメなら議員立法で、という道が用意されているのである。

議員立法なら内閣法制局は関与できない。

立法府である国会が自ら制定しようとする法律案に内閣の一部機関でしかない内閣法制局が口を挟むことなど不可能である。

皇室典範特例法が閣法であれば内閣法制局が審査し、議員立法であれば衆議院か参議院の法制局が立案に関与することになる。
これが、現在のルールである。

閣法になるのか議員立法になるのか現時点ではまったく分からないが、内閣法制局の審査が通らないから特別立法は出来ない、というのは、多分間違いである。

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