記事

憲法にある皇室典範は法律だから、皇室典範特例法という特別法を作っても違憲ではない

国語も読めないエセ法律家だろう、などと悪態を吐いておられるが、まあ、お前のかあさん、でべそー、の類で、事実でないことをいくら大声で喚き散らされても、損をするのは悪態を吐かざるを得ないご本人の方で、私には大して影響はない。
確かに時々は漢字を読み違えたり、書き間違いをしたりすることはあるが、まだそれほどひどくはない。

小林よしのり氏は皇室典範が法律の一つであることをご存知でないか、法律の一種であることに納得がいかないのだと思う。

その気持ちは分からないでもない。
しかし、皇室典範には昭和22年法律第3号という法律番号(法令番号)が付されており、法律の一つであることが明らかで、小林よしのり氏の脳裏に焼き付いていると思われる大日本帝国憲法(明治憲法)時代の皇室典範とは明らかに性格を異にしている。

ウィキペディアによると大日本帝国憲法(明治憲法)時代の皇室典範は大日本帝国憲法(明治憲法)と同格の存在だとされているが、現在の皇室典範は国会の議決に基づく法律でしかないのだから、大日本帝国憲法(明治憲法)を読むような感覚で現在の憲法の条文を読まれない方がいいと思う。

小林よしのり氏は、多分日本の憲法には日本文のものと英文のものとがあることをご存知ないはずだ。
多分、日本語の官報と英語の官報の二つがあったこともご存知ではない。
勿論、日本語の憲法と英語の憲法のどちらが正文なんだろうか、という疑問を持たれたこともないはずである。

現在の憲法はアメリカが書いた憲法だ、という議論自体を聞いたことがおありだろうが、それが具体的にどういうことかということまでは研究されたことはないはずだ。
今となっては英文憲法の存在に言及される方は殆どおられないだろうが、有斐閣の六法全書には英文憲法がしっかり載っている。

日本の現在の憲法が連合国の占領下で策定、公布されたこと、憲法の起草や憲法草案の修正等についてはその都度GHQの承認が必要だったことなどをご存知の方は、英語の憲法も日本語の憲法もどちらも正文で、連合国がやGHQが承認したのは英語の憲法の方だということを理解されるはずである。

占領軍が当時、日本人と同じように日本語を理解できたとはとても思えない。
国際社会が受け入れたのはあくまで英語で記されている「THE CONSTITUTION OF JAPAN」の方で、英文の憲法も日本文の憲法も当時は日本国憲法の正文だったのだろう、というのが私の理解である。

それでは、英文憲法にはどう書いてあるか。

「Article2.The Imperial Throne shall be dynastic and succeeded to in accordance with the Imperial House Law passed by the Diet.」
皇室典範と日本の憲法で表記しても、法律の一つでしかないことは明らかである。

ウィキペディアは、「昭和22年法律第3号の法令番号を持つ現在の「皇室典範」は「法律」として1947年1月16日に制定され、他の法律と同様にその改正は国会が行い、皇室の制度そのものに国民が国会を通じて関与することとなった。これは、制定当時、日本を占領していたGHQの強い意向によるものである。
この皇室典範は日本国憲法施行の日(1947年5月3日)に施行された。これと同時に明治22年裁定の「皇室典範」並びに明治40年及び大正7年の「皇室典範増補」は廃止された(昭和22年5月1日「皇室典範」。)と解説している。

多分、この見解が現在の日本の法律家の標準的見解だろうと思っている。

小林よしのり氏が皇室典範の改正に固執される気持ちはよく分かるが、だからと言って皇室典範特例法のような特別法の制定が憲法違反だとまで言うのはどうも穏当でない。

まして、政府は既に特別法の制定を視野に入れて検討を始めているようである。
そういう方々を一括りにして国賊扱いにすることは、さすがに行き過ぎだろう。

こういう議論を巻き起こすのだから、小林よしのり氏の発言にはそれなりの意義はあるのだが、どんなにフアンの方が多くても、現実には小林よしのり氏の仰るような方向には動かないだろうな、と思っている。

悪しからず。

あわせて読みたい

「天皇陛下」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    コロナ後の日本は失業者増えるか

    ヒロ

  2. 2

    米で広がる分断 アジア人も下層

    WEDGE Infinity

  3. 3

    コロナでトランプ惨敗説が急浮上

    WEDGE Infinity

  4. 4

    給付金寄付の強制は「責任転嫁」

    非国民通信

  5. 5

    渋谷で「一揆」補償巡りデモ行進

    田中龍作

  6. 6

    米の中国批判に途上国はだんまり

    六辻彰二/MUTSUJI Shoji

  7. 7

    テラハ演者 陰湿さ増す悪魔構造

    女性自身

  8. 8

    重症者少ないアジア 人種要因か

    大隅典子

  9. 9

    マイナンバー遅れで残る利権構造

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  10. 10

    ブルーインパルス 文字を描いた?

    河野太郎

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。