- 2016年08月10日 07:00
「キャリアブランクがあってごめんなさい」なんて謝らなくていい──再就職するママへ、あなたは自信を持って踏み出せる
1/3日本女性の年齢別就業者率を示すグラフは「M字曲線」と呼ばれ、特に30〜40歳で著しく落ち込みます。その”谷”の原因は、出産育児による離職であると伝えられてきました。
女性特有の”キャリアブランク”を経て、また職場へ戻りたいと願うプロ人材の女性たちをサポートし、これまでに多くの人材を一流企業へ専門職として送り込んできたのが米iRelaunchという会社です。
TED Talkのスピーチが世界中で1200万回再生されたiRelaunch CEOのキャロル・コーエンさんに、サイボウズ事業支援本部長・中根弓佳と株式会社Waris代表取締役・田中美和さんが、キャリアママの再就職について聞きました。
1度離職した高学歴女性たちは、どうやって”キャリアブランク”から復帰したのか
画像を見るわたしはいま39歳ですが、周囲の友人には子どもを産んだあと、残念ながらキャリアを中断してしまうケースを度々ききます。消極的選択の結果、そうせざるを得なかった優秀な女性もいて残念だなと思っていました。日本では、高学歴の女性ほど離職する可能性が高い、つまりM字カーブの谷が深いというデータも出ています。
出産育児をきっかけに退職した子育て中のママは、多少なりともキャリアブレイクがあります。ですが職場、つまりチームで働く経験のある人材に活躍してもらえる環境があれば、結果としてブレイク期間を経た人材の確保にもにつながり、よりよい職場やチームが実現するのではないかと思っています。
サイボウズには、多様な人材を受け入れる土壌があると考え、何度かキャリアにブランクのある女性を採用しようと考えました。ですが、そういう女性がいることはわかっていながらも、なかなか労働市場で出会うことができずにいました。そこで、優秀な女性のマッチングについて実績のあるWarisさんにご紹介をお願いしました。
画像を見る1度キャリアを中断すると、なかなか自分から一歩を踏み出して働くのが難しいんです。優秀な女性たちが育児で仕事を辞めて家庭に入ってしまうのが、日本の問題になっています。
日本の就業人口の年齢別・学歴別統計を見ると、学歴に男女差はないのに、高学歴の女性ほど離職率が高い。これが日本の現状なんです。
画像を見るアメリカでも多くの女性が離職します。女性に限らず男性もですが。その理由は育児や介護、自分のやりたいことの追求など、さまざまです。アメリカで顕著なのは、25歳から54歳の大卒女性のうち、ゆうに260万人が労働人口外にいるということ、つまり働いていないのです。
画像を見るiRelaunch CEOのキャロル・コーエンさん。アメリカのインターンシップ採用について、「2008年にゴールドマン・サックス(GS)や、今はなくなってしまったサラ・リーによる再就職インターンシップが始まり、2013ー2014年にはGS、JPモルガン、モルガン・スタンレー、メットライフ、クレディ・スイスというグローバルな最大手金融5社が、キャリア中断期のある再就職希望者に向けてインターンシップを導入するようになりました。エンジニアリング企業でも、IBMやGM、キャタピラー社など、多くの国民的な一流企業で広く導入されています」
画像を見る富裕層や中産階級では、22%の女性が専業主婦です。2007年に起業したiRelaunchでは、キャリアを中断していたプロフェッショナル人材の復職をサポートし、インターンシップ採用から、直接その企業で正社員を雇用できる人材教育プログラムを提供してきました。
これまでサポートした4500人は100%大卒者で、93%が女性、70%が修士号取得者です。アメリカでは、キャリアの中断期がある人材を対象としたインターンシッププログラムが2008年ごろから見られるようになりました。
プログラムの特徴は、インターンから正社員へと雇用される割合が50〜90%ととても高いことです。エンジニアリング分野の企業はさらに高くなります。
日本は1度の離職でキャリアがゼロに、米国ではなぜ再就職率が高いのか?
画像を見る日本では、1度離職するとキャリアはゼロになり、人材として評価されなくなってしまいます。アメリカでは、インターンから正社員への雇用率がそれほどまでに高いのは、なぜでしょうか。
画像を見るアメリカでは事情が違うからだと思います。離職期間はキャリア”ブランク”(空白期間)ではなく、キャリア”ブレイク”(休憩・中断期)です。
企業側は再就職者のキャリアブレイク前の仕事について、詳しく知りたがります。そして再就職を希望する人は、これまでの職業経験を詳細に文書化しておき、キャリアブレイク後も「自分は何をしてきたか、何ができるか」を説明できるようにしています。
インターンシッププログラムの競争率は大変高く、数百人の応募者の中から25人が選ばれるといった具合です。ハイスキルでモチベーションも高い人々が集まっているんです。
画像を見るなるほど。
画像を見る田中美和さん。日経ホーム出版社・日経BP社で10年以上にわたり編集記者を経験。特に雑誌「日経ウーマン」では女性の生き方・働き方を多数取材。調査・取材で触れてきた女性の声はのべ3万人以上。その後、フリーランスを経て女性に「フレキシブルなプロの仕事」を紹介するWarisを共同創業。
画像を見る採用側にも高いプロフェッショナルスキルが求められるのですが、採用マネージャーには3タイプいます。
1つ目は、すぐに手を上げて、試験的にプログラムを実行する人。自分の友人や、女性の家族──母や姉妹、妻──の実例から、女性の人生にはキャリアブレイクがあることを理解している人が多いです。2つ目は、当初は懐疑的でも、他社の例を見てから次の機会に実行してみる人。そして3つ目は、初めからかかわりを持とうとしない人。
3つ目のマネージャーに対しては、社内のハイスキルで影響力のある人が自分の経験を話したり、キャリアブレイクから戻ってきた人を推薦して説得したりするケースもあります。
画像を見るということは、わたしは1つ目のタイプだったということですね。ラッキーなことに周囲にいたと。そういうインターンシップにはもろ手をあげて賛成します。



