- 2016年08月05日 11:55
登山家ら「リニアで南アルプスを壊さないで」
発言する服部隆(右)。リニアで南アルプスを壊さないで登山者アピール実行委員会主催。(写真/宗像充)
「これ以上便利になっても仕方がない。山も下から丁寧に歩けばいいじゃないか」。山岳ガイドの山田哲哉さんが冒頭、約130人の登山家が埋める会場に投げかけた。登山家24人が呼びかけ人になり、南アルプスをトンネルで通過するリニア中央新幹線計画の中止を求め賛同運動を開始し、7月14日に東京都内でそのスタート集会を開催。山岳ガイドの岩崎元郎さん、文明品を使わない「サバイバル登山」を実践する服部文祥さんらが発言した。
事業主体のJR東海は昨年12月に山梨県側でトンネル工事に着工。長野県側でも今夏の着工を表明している。約25キロメートルのトンネル掘削の自然破壊だけでなく、山梨、静岡、長野の工事現場はいずれも南アルプスの代表的な登山基地だったため、10年以上の工事による登山への影響は大きい。
大井川源流部の残土や水枯れなどの影響を解説したクライマーの服部隆さんは「登山は不便だからおもしろい。リニアが南アルプスを通らなくても、リニア自体がいらないもの」と言いきり、岩崎元郎さんも「リニアは日本がダメになっていく象徴。便利になりさえすればいいという風潮にストップをかけたい」と表明。8月11日が今年から「山の日」になったのに対し、日本勤労者山岳連盟会長の西本武志さんは「南アルプスを壊してなんで山を大切にできるのか」と提起した。
(宗像充・ライター、7月22日号)



