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「ドリーム(夢)」というよりも悪意ある「デリュージョン(妄想)」

さて門田隆将氏がこの度の都知事選の結果について興味深いユニークな論考をしています。
門田隆将
2016年08月02日 17:02
「小池百合子氏圧勝」が証明した“DR戦争”の決着
http://blogos.com/article/185696/

 氏は今回の都知事選を「現実には決して目を向けない“ドリーマー(夢見る人)”と、現実を直視する“リアリスト(現実主義者)”の戦いという「DR戦争」」と位置付けます。

 失礼して当該箇所を抜粋。

今の世の中が、昔のような「左」と「右」との対立の時代でないことは、当欄でも繰り返し論評してきた通りだ。現実には決して目を向けない“ドリーマー(夢見る人)”と、現実を直視する“リアリスト(現実主義者)”の戦いという「DR戦争」がつづいている今、その「決着」を示す選挙結果だったように思う。

今回の選挙がおもしろかったのは、「DR戦争」を明確に示すキャラクターが揃ったことだった。まさに鳥越氏は、“ドリーマー”を代表する人物だったし、“リアリスト”である増田氏と小池氏の二人は、「組織をバックにする人」と「そうでない人」に分かれて、有権者の審判を仰いだ形になった。

 鳥越氏が“ドリーマー”を代表する人物であり、増田氏と小池氏の二人は“リアリスト”であったとカテゴリーしています。

 門田氏は、結びで「言わば“55年症候群”の人たちの時代は「終焉を迎えた」」のだと結論付けています。

60年安保を経験した高齢者、70年安保を戦った団塊の世代。先にイデオロギーありきの「55年体制」にどっぷり浸かった、言わば“55年症候群”の人たちの時代は「終焉を迎えた」のである。

世代間戦争は明らかに若者、つまり、リアリストの勝利となった。その意味で、小池氏大勝は、高らかに“新時代の到来”を宣言するものだったと思う。

 いやいつもながら大変興味深い論考です、参考になります。

 ただ、一点、鳥越俊太郎氏に代表される“55年症候群”の人たちを「ドリーマー(夢見る人)」と表現している点に、強い違和感を感じました。

 「ドリーマー(夢見る人)」には、夢追い人、いつか叶うかもしれない夢にむかってけなげに努力している人、世間知らずかもしれないが無垢に夢を追いかけている純朴な人、といった肯定的な牧歌的なイメージがどうしても漂います。

 私が知る限り、鳥越俊太郎氏に代表される“55年症候群”の人たちの多くは、「無垢に夢を追いかけている純朴な人」とは真逆です、異論に対しては極めて攻撃的であり、その行動は現実逃避で詭弁的です、私から言わせていただければ、彼らを表現する”D”は、「夢」:"Dream"ではなく、「妄想」:"Delusion"のほうがふさわしいと考えます。

 英英辞書で"Delusion"を引けば、「欺く行為(the act of deluding)」であり、「誤った、または根拠のない意見または考え(a mistaken or unfounded opinion or idea)」であるとされています。

 今回鳥越氏が都知事選で唱えた「東京から憲法を守る」「東京から平和を守る」「東京を非核化する」などの自治体の長の権限をはるかに超越した公約は、これは「夢」というよりも実現性ゼロという点で、「妄想」そのものでしょう、まさに有権者を「欺く行為(the act of deluding)」であります。

 門田氏は論考で「世代間戦争は明らかに若者、つまり、リアリストの勝利となった」としておりますが、この点も当ブログは少し懐疑的です。

 まず“55年症候群”の人たちに年配者が多いのは事実ですが、必ずしもジェネレーションでくくれる話ではありますまい。

 年配者にも「リアリスト」は少なからず存在することは、今回の東京都知事選の年代別投票行動から見ても明らかなわけですから。

 そして本選挙を持って、門田氏いうところの「ドリーマー(夢見る人)」の敗北と結論づけるのも少し早計でありましょう。

 繰り返しますが、彼ら唱えていることは「ドリーム(夢)」というよりも悪意ある「デリュージョン(妄想)」です。

 彼らは実にしぶとい、決して敗北を認めることはないのです。

 彼らは、異論に対しては極めて攻撃的であり、その行動は現実逃避で詭弁的です。

 彼らが如何にしぶとくかつ現実逃避で詭弁的か、小さなしかし大切な事例を示しましょう。

 東京・霞が関の経済産業省の敷地にテントを設置して脱原発を訴えているグループに対し、国がテントの撤去と損害賠償などを求めた訴訟の上告審で、グループ側の敗訴が確定いたしました。

 最高裁第一小法廷(大谷直人裁判長)が7月28日付の決定で、グループ側の上告を退けたのです。

 これにより敗訴確定で、今後国が申し立てれば、テントの撤去と土地の明け渡しが強制執行されます、約5年間の敷地使用料と、年5%の遅延損害金の計約3800万円の支払い命令も確定いたしました。

(参考記事)
脱原発テント撤去、命令確定 グループの上告退ける 最高裁
2016年8月2日05時00
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12491211.html?rm=150

 五年にも及ぶ一部市民活動家たちによる不法占拠に撤去命令が確定したわけです。

 BLOGOSの田中氏の記事によれば、市民活動家たちは最高裁判決に徹底抗戦を宣言しています。
田中龍作
2016^年08月02日 16:15
経産省前・脱原発テント いつでも強制撤去
http://blogos.com/article/185708/
 失礼して記事の結びより当該部分を抜粋。

 上告棄却を受けて、きょう、テント住民らによる記者会見が行われた。

 福島第一原発からわずか1.2キロの地点に住んでいた亀屋幸子さんは「第一の故郷の双葉町は東電に奪われた。第2の故郷であるこのテントを奪われたら、私はどこに帰ればいいのか」と涙ながらに訴えた。

 テントひろば共同代表の渕上太郎さんは「粛々とテントを守る。自主的に引き揚げることはない」と宣言した。

 本件にこそ、一部の“55年症候群”の人たちが、いかにも実にしぶとい、決して敗北を認めることはない人々であり、かつ如何にしぶとくかつ現実逃避で詭弁的なのかが、いろいろな意味で凝縮していると考えます。

 自己主張の「手段」を、三つの点で間違えています。

 第一に、自らの主張を貫くためなら「法を犯しても良い」という許されざる甘えがあります。

 第二に、そのような過激なやり方では一般市民の賛同を得られるはずがないことを、彼らは意に介しません。

 最高裁の不法占拠との決定を受けても彼らは退きません。

 第三に、そこまでして間違った「手段」に固守していても彼らには、次の具体的建設的展望は全く見えていません、現実的対処的な提言が皆無なのです。

 そしてより国民に対して不誠実だと思われるのは、行なっていることが、結果的に国民に対して実に詭弁的なのです。

 実はこの違法な『テントひろば』活動ですが、その活動主体の実態は『9条改憲阻止の会』です。

 ところが現在ではすべての報道から『9条改憲阻止の会』の名は伏せられています。

 『9条改憲阻止の会』は、その公式サイトで「元60年安保全学連の人々を中心に結成」したことを公言しています、門田氏言うところの“55年症候群”の人たち、そのものです。

『9条改憲阻止の会』の公式サイトより。
 

 「9条改憲阻止の会」は、第一次安倍政権が発足した2006年に、元60年安保全学連の人々を中心に結成されました。岸の意志を継いで侵略戦争のできる国へとこの日本を変えようとする安倍の登場が、われわれの闘志を再び燃え上がらせたのでした。もちろん青年期のストレートの怒りとは異なり、子どもや孫の世代にどのような社会を引き継ぐかという高齢世代特有の課題意識を持ちながらではありましたが…。

 もっとも「9条改憲阻止」の課題は、安倍の「政権投げ出し」によって一旦後景化しました。そうこうする内、2011年3月11日に東日本大震災・福島第一原発事故が起こり、阻止の会は、被災地支援へ、そして脱原発の運動に総力を傾注していき今日に至るわけです。2011年9月11日には経産省前の空地に脱原発テントを立て、多くの人々と共同してテントを防衛・維持してきました。

http://9jyo.jimdo.com/9%E6%9D%A1%E6%94%B9%E6%86%B2%E9%98%BB%E6%AD%A2%E3%81%AE%E4%BC%9A%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

 しかし、護憲の活動グループが法律に触れる「不法占拠」を主催するのはいかにも詭弁的です、そこで、淵上太郎代表は、主体を『九条改憲阻止の会』から『テントひろば』に変更したわけです、一般市民を巻き込むためにです。

 当該発言を、4年前の田中龍作ジャーナルの記事から抜粋。

 テントの訪問者はこれまでに1万5千人余り。普通の市民である。「勤め帰り」「東京出張の折」のサラリーマン、「通りがかり」の主婦などが差し入れやカンパを手に来訪する。

 「経産省前テントひろば」の淵上太郎代表は、「テントは市民共同の場、どなたが来て頂いても結構」と話している。経産省への「反論書」には序文として「テント運営の主体名は現在の『九条改憲阻止の会』から『テントひろば』に変えて頂きたい」と記す、という。

http://tanakaryusaku.jp/2012/02/0003606

 一般市民から隠されたところで「元60年安保全学連の人々を中心に結成」された過激なグループ、“55年症候群”の人たちが詭弁的に「暗躍」しているわけです。

 これが現実です。

 ・・・

 まとめます。

 私が知る限り、鳥越俊太郎氏に代表される“55年症候群”の人たちの多くは、「無垢に夢を追いかけている純朴な人」とは真逆です、異論に対しては極めて攻撃的であり、その行動は現実逃避で詭弁的です、私から言わせていただければ、彼らを表現する”D”は、「夢」:"Dream"ではなく、「妄想」:"Delusion"のほうがふさわしいと考えます。

 英英辞書で"Delusion"を引けば、「欺く行為(the act of deluding)」であり、「誤った、または根拠のない意見または考え(a mistaken or unfounded opinion or idea)」であるとされています。

 繰り返しますが、彼ら唱えていることは「ドリーム(夢)」というよりも悪意ある「デリュージョン(妄想)」です。

 彼らは、異論に対しては極めて攻撃的であり、その行動は現実逃避で詭弁的です。

 そしてもうひとつ、彼らは実にしぶとい、決して敗北を認めることはないのです。

 この都知事選が歴史的意味合いを持つかどうか結論を得るには、もう少し時間が必要だと考えます。

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