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負け続ける「リベラル」と内向き思考

buzzfeedの石戸諭さんが興味深い論考を挙げていたんですが、ここでいう「平和と脱原発」は確かに今回の都知事選の政治的イシューからは遠いというのも大きいんですよね。

「平和と脱原発」ではダメ 惨敗の鳥越さん、そしてリベラルは負け続ける
 https://www.buzzfeed.com/satoruishido/tochijisen-torigoe-haiboku

 で、リベラル全体が駄目になったのか? と言われると、これがまた一定の票は取れたりする。おそらく、今回は野党統一候補として鳥越俊太郎さんだったから、担いだ神輿が悪かったという側面もあるかもしれません。

 JX通信社の米重克洋さんの記事でもありますが、各社告示時点での調査では鳥越さんが人気を集めていたわけで、ここが例えば別の人物だったら、宇都宮健児さんが野党統一候補だったら、となると、違った意味合いになってくるわけです。

<終盤情勢>小池氏やや先行、増田氏・鳥越氏追う=JX通信社 東京都知事選独自調査
 http://bylines.news.yahoo.co.jp/yoneshigekatsuhiro/20160724-00060314/

 その際たるものが、一部コメントにもあった官邸と小池陣営の「手打ち」の面談の流れで、まあ、これは仕方が無いでしょう。一方で、小池派の面々は、すでに補欠選挙となる東京10区に向けて腹心を立てたり、地域政党「小池新党」を構想するため走り回り始めていたりするので、振り上げた拳の降ろしどころを誰がどう捌くのかといったところに注目が集まっています。

 そこで、元に戻ってリベラルの体たらくの問題ですけど、これはもう内向き批判に加えて求心力と方法論の問題が問われていると思うのです。簡単な話が、脱原発を主張するのは構わないけど、それをどう、誰が実現させるんですかということはあまり問われず、安倍政治にNOといった「後」のことは構想として出てこないので対案のパッケージにはなかなかならないのです。

 理想としてのリベラルが掲げるのが「平和」「脱原発」という理念だったとして、それが日本のあるべき未来だと考える有権者が少ないというのは、結局は魅力的な理想じゃないってことです。それでもそれを旗頭にしなければならないのは、いまのリベラルの考え方の根幹が「政権担当能力のある野党を目指す」よりは「現状批判勢力、権力批判の象徴としての野党を狙う」ことだからじゃないかと思います。

 それは、以前連合の神津会長との対談でも私は思ったんですが、昔はひとつの理想でみんながある程度まとまれる時代だったんですよ。ところが、いまは一口に「労働者」といっても、工場で働く人がいる、居酒屋やコンビニで頑張る人がいる、プログラマーが下請けで働いている、そいう人たちも全部労働者であったとき、果たして理想として同じものを掲げて糾合できるのか、あるいは、異なる利害を乗り越えて統一的な政党支持までもっていけるのかといったところに課題があるのではないか? と思うわけです。

選挙で今、向き合うべき争点は「社会保障」 ?次世代にツケを回さないため、何をすべきか?
 
 私のような保守主義者としては、以前BLOGOSで宇野重規先生と対談したように、次の世代にどのような社会を引き継ぐのかを考えるとき、どうしてもリベラルがしっかりしていてもらわないとならないと思うわけですよ。いわば、社会が発展し、進歩していくための推進力が弱い状態がいまの日本であると言えると考えるからです。

 政策議論をしたり、理想を固めて政策に落とし込んだりするのは、別に内向きでも構わないのですが、それが世に問われるときにもっと開かれた内容であることを期待してやみません。 
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