記事

次会合で政策検証、必要なら追加緩和=黒田日銀総裁

[東京 29日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は29日の金融政策決定会合後の記者会見で、9月の次回会合で過去3年半の政策効果を検証し、必要ならば追加緩和も辞さない意向を示した。

今回の会合で踏み切った上場投資信託(ETF)の買い入れ倍増による追加緩和は、政府の経済対策と相乗効果が期待できると述べた。

<QQE「14年夏ごろまで順調」>

黒田総裁が就任直後の2013年4月に導入した、巨額の国債買い入れを主軸とする「量的・質的緩和(QQE)」は、当初2年で2%の物価目標必達を掲げていた。しかし足元5月の物価(生鮮除く消費者物価指数、コアCPI)はマイナス0.5%にとどまっており、2%の実現を信じるのがやや難しい状況となっている。

総裁は「14年夏ごろまでは順調だった」ものの、最近は物価を目標の2%に押し上げるのは「道半ば」だとして、次会合で政策を検証すると説明した。

ただ検証の結果、政策の設計変更に踏み切っても、あくまで「2%の早期実現の観点で行う」とし、「量は重要」とも指摘。日銀が買い入れることのできる国債が減少するため、いずれ買い入れペースを緩めるなどの思惑をけん制した。

その際、「検証結果に応じて必要ならば必要な措置を取る」として更なる緩和強化への期待をつないだ。しかし一部の中央銀行のように、市場の期待をつなぐための「時間稼ぎではない」とも指摘した。

<量に限界ない、ETFも必要なら増額>

市場では、国債買い入れやマイナス金利の深掘りは、持続性や、金融機関への悪影響の点から追加緩和手段として採りづらいとの指摘もある。総裁は「マイナス金利や量の拡大は限界に来ていない」「国債買い入れへの障害はまったく起きていない」「これまで国債は全体の3分の1を買ったが、まだ3分の2が市場に残っている」とし、政策限界論の払拭に努めた。

ETFは「今後も必要があれば増額を検討する」と明言。「ETFの買い入れ増で株式市場の機能を損なうことはない」とした。

<財政・金融ポリシーミックス「ヘリマネ」でない>

先進国中銀の金融緩和策について限界論が増えつつあるなかで、一部識者の間で、永久債の引き受けで中央銀行が資金供給を行う事実上の徳政令「ヘリコプターマネー」が話題となっている。

総裁は、ヘリコプターマネーは「人によって定義が違う」が、「財政・金融政策の一体運営との意味であれば法律で禁じられている」と指摘。今回の日銀のように、政府の財政政策とタイミングを合わせて金融緩和を強化するのは「国債発行に伴う金利上昇を抑えるためのポリシーミックスであり、ヘリコプターマネーではない」と総括した。

(竹本能文、伊藤純夫)

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    中等症めぐり政府の揚げ足を取る毎日新聞 いい加減な記事を出すのは許されるのか

    中村ゆきつぐ

    08月04日 08:26

  2. 2

    強行放送!緊急事態宣言下の24時間テレビは「ジャニーズ祭り」

    渡邉裕二

    08月04日 08:04

  3. 3

    患者対応をめぐる行政と開業医の役割分担 国会議員がルール化する必要性を橋下氏指摘

    橋下徹

    08月04日 12:14

  4. 4

    環境省がエアコンのサブスクを検討 背景に熱中症死亡者の8割超える高齢者

    BLOGOS しらべる部

    08月04日 18:05

  5. 5

    東京都心に住むコストをケチってはいけない

    内藤忍

    08月04日 11:37

  6. 6

    オリ・パラ後の新国立は誰のためのスタジアム? - 上林功 (追手門学院大学准教授)

    WEDGE Infinity

    08月04日 09:49

  7. 7

    菅政権の自宅療養方針に与党議員が批判?? 無責任な姿勢は最低なパフォーマンス

    猪野 亨

    08月04日 14:17

  8. 8

    東京都で新たに4166人の感染確認 過去最多 重症者は3人増の115人

    ABEMA TIMES

    08月04日 17:04

  9. 9

    有害な言論はどこまで警戒すべきか?

    元官庁エコノミスト

    08月04日 15:07

  10. 10

    五輪マラソンで札幌は再び医療崩壊の危機

    田中龍作

    08月04日 19:18

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。