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吉村美栄子「国対地方ではない、47都道府県が国をつくっている」 - 塩田潮の「キーマンに聞く」【24:後編】吉村美栄子(山形県知事)

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ノンフィクション作家 塩田潮=文 澁谷高晴=撮影

一番大事なのは「県民のために」という気持ち


【塩田潮】2013年の知事改選で無投票再選しました。ここまでの在任7年半を振り返って、目標とした挑戦テーマの達成度など、「吉村県政」をどう自己採点していますか。

【吉村美栄子(山形県知事)】就任当初はリーマンショックの真っ只中で、山形県も例外ではなく、大変な状況でした。最初の1年は「雇用創出1万人プラン」を打ち出しました。2年目と3年目の2年間で2万人の雇用を創出する雇用安心プロジェクトを実行しましたが、それは順調に推移したと思っています。

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吉村美栄子氏(山形県知事)

就任前から人口減少が大きな課題だと思っていましたので、知事直轄の子ども政策室を設置し、1年後に子育て推進部に昇格させ、山形県庁で初めて女性部長を誕生させました。

順調に進んでいると思った矢先、3年目に東日本大震災が起きました。2期目は1期目の成果を土台にすると同時に、大震災の教訓をしっかり生かしたいと思い、「自然と文明が調和した理想郷・やまがた」という将来ビジョンを掲げました。山形県の資源を生かして山形らしい新しい成長の実現を、という内容です。政府が掲げる地方創生は追い風と思っています。

次に15年10月、「やまがた創生総合戦略」を策定しました。16年度から「前進の年」と位置付け、予算をしっかり付けてやっています。それまでの成長戦略、将来ビジョンの実現を加速させています。

ここまでの目標達成状況は、「『観光立県山形』の実現」で、11年に3540万人だった観光客数を4500万人にという目標を立てましたが、2期目の14年に達成できました。

雇用創出では、リーマンショック時に有効求人倍率が0.3倍という低い数字だったのを1.0倍以上にするのが目標でしたが、ここ20カ月以上、1.0以上が続いています。

保育所入所待機児童数も、12年に 158人でしたが、目標の「待機児童ゼロ」を3年連続で達成することができました。

遅れていた高速道路などの社会インフラ整備も着実に進み空港や港も利便性が向上しています。

ただ、全体としては、達成したものもあるし、途上のものもあって、採点となると、とても難しいなあと思います。上昇機運にはなってきていると感じていますが。

【塩田】知事として今後、これだけは挑戦したいと思っていることは何ですか。

【吉村】一番大事なのは「県民のために」という気持ちです。知事を何期やるかは関係ありません。県民のためにやるという思いが強く、どんどん新しい構想が出てきます。

エネルギーを安定供給し、持続的な発展を可能にするため、新エネルギーの開発を推進する計画です。山形県は木質バイオマスエネルギーを持続的にやっていくことができると思っていますので、独自の取り組みとしてやりたいです。

山形の将来のために、「やまがた森林ノミクス」(モリノミクス)をしっかり展開して、全国的なムーブメントを起こさなければ、と考えています。木材の流通など、いろいろな問題が関係しますので、全国で同じようなビジョンを持った自治体と力を合わせて推し進めないと実現しないと思います。難しいけれど、林業界も盛り上がって、これからだぞというところがあります。

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