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2か月で41本書いた米インターン記者に感動!

都知事候補、鳥越俊太郎氏のジャーナリストらしからぬ言動の数々がネット上に出回り、なんだか”ジャーナリスト”と名乗るのがはばかられる昨今ですが、LinkedInに堂々と「ジャーナリスト志望(aspiring journalist)」と書き、それに見合う猛烈なインターン記者生活を送っている米国の女子学生にちょっと感動しました。

Cadence Bambeneckさん。有力オンラインメディアの一つ、Business Insiderに掲載された<This Snapchat multimillionaire packed up his family to travel the world — permanently>という見出しの記事を書きました。今をときめくSnapchatの百万長者が幼児2人ともども終わりのない世界旅行に出たというのですから、なんでだ?と興味をかき立てられます。

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一家の主、Garrett Gee氏は、何人かの仲間で作ったソフトウェアの会社がSnapchatに5400万ドルで買収されてしまい、生きる目的を失いかけたが、もう誰にも奪われない”自己ブランド”確立のためにYouTubeで発信しつつ旅を続けている、という話です。Snapchatへの売却金の分け前でなく、家財を売り払ったお金で倹約しつつ旅を続けてる、っていうのもミソ。

私同様、関心を持った人が多かったのでしょう。読者数は今日現在、30万に近づいています。で、ふと、こんな面白い記事の筆者は何者だろう?と見出し下のバイラインをクリックしてみました。

プロフィールが現れます。最初に<a summer technology reporter for Business Insider>とあります。夏だけのテクノロジー担当記者ですから、インターンだなと見当がつきます。検索して、LinkedIn彼女自身のサイトStartedなどを覗きました。

そこで、彼女が今年5月中頃からBusiness Insiderでインターンとして働き始めたことが確認できました。サイトには詳細なレジメ(履歴書)もアップされています。今は、ウィスコンシン大学マジソン校の3年生で、ジャーナリズム専攻。1年生の時から地元紙や大学新聞などで働いています。(米国の大学新聞は有給なのが多い) 昨年の5月から8月まで、中国・天津の南開大学に短期留学もしたとか。

LinkedInには<believe experience is the best way to learn and grow>ー経験こそ学びと成長への最高の方法と確信する、との記述もあります。とにかく前向き、エネルギッシュな女性のようです。

そのパワーでBusiness Insiderでどのくらい頑張っているのか。記事数を勘定したら、5月24日から7月20日付のGee一家の世界旅行の記事まで、2か月足らずの間になんと41本に達しています。短いコラムのような記事はありません。みんな長文の記事です。中でも6月には27本も書いています。

凄まじい原稿量です。そして量だけでなく、読まれた件数が6ケタ、10万人以上という記事も7本に達しています。BusinessInsiderのサイトをご覧になれば分かりますが、5ケタ、つまり1万人以上に読まれた記事は珍しいくらいです。彼女の記事の質の高さが伺えます。

そこで彼女にメールを出しました。「2か月も経たないうちに41本も書くなんてとんでもなくハードワークじゃないの?」「将来の夢は」「インターンは無給なの」とかの質問を交えて。

返事が来ました。こうありました。「確かに41本書いたけど、私の同僚の中ではかなり少ない方だと思う。私は、今、量より質にフォーカスしようと試みている。それぞれの記事が興味深く、意味のあるものにしたいと思っている」

2か月弱で執筆数41本が少ない方だなんて、思わず絶句です。昔々の自らの執筆量を思って。それだけ、米国のオンラインメディアの世界は厳しいということが窺えます。いや、オンラインメディアだけではないでしょう。NYタイムズやワシントンポストなどの米国の有力紙なども、日本の大手紙よりはるかに少ない記者数で何倍も部厚い新聞を日々発行していることだし。

ちなみに彼女は有給だそうですが、「多くはないし、(勤務地の)のニューヨークは物価が高い」と嘆いています。そして将来については、今はテクノロジー担当だけれど「留学で外国で過ごしたこともあるので、国際報道に関心がある」とのことです。

ふと思いました。IT、AIの進化で自動翻訳の精度もどんどん良くなるはず。そういう時代に、日本の新聞社が彼女のような経験豊富でバイタリティ溢れる若者に海外特派員の役割を任せる時代が来るかもしれないと。

いや、真面目な話、米国の新聞社は経営難から海外支局を次々廃止していますが、日本の新聞社だって他人事ではありません。日本人特派員の費用とオフィス代を考えれば、Cadenceさんのような意欲溢れる若者を何十人も雇え、かつ山ほど質の高い記事を書き、それがまともな日本語に翻訳され、どんどん流れてくる。万々歳じゃないですか。真夏の昼の妄想ですが・・・・・

それにしても、こんなガッツのあるジャーナリスト志望の学生って日本にいるんだろうか・・・・いや、自分の過去は棚に上げてです。

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