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アングル:ウォール街を混乱させる「トランプ大統領」

[ニューヨーク 21日 ロイター] - ドナルド・トランプ氏が米大統領選の共和党候補にとどまらず、大統領になった場合、さまざまな発言で物議を醸しているだけに、金融市場は混乱に巻き込まれそうだ。

米IT大手アップル<AAPL.O>製品のボイコットを訴えてみたり、メキシコ国境に壁を建設するといった排外主義を唱えたりしているトランプ氏。言葉通りに受け取るなら、アップルだけでなく、メキシコに生産拠点を設ける米菓子大手モンデリーズ・インターナショナル<MDLZ.O>や米自動車大手フォード・モーター<F.N>などメキシコ関連株は「売り」となるだろう。「買い」は純粋に国内の顧客、供給先とだけ取引する米国企業ということになる。

ただ、共和党主流派が自由貿易と低税率を唱えており、ニューヨークの実業家トランプ氏が大統領選に勝利したとして、自らの政策を押し通せるのかどうかは定かではない。

オハイオ州クリーブランドのキー・プライベート・バンクのチーフ投資ストラテジスト、ブルース・マケイン氏は「特に投資家たちはトランプ氏が何者か理解に苦しんでいる」と指摘する。

<大銀行の解体>

共和党大会が採択した政策綱領には、商業銀行業務と投資銀行業務の分離を求める法律(1933年グラス・スティーガル法)の再導入が盛り込まれた。この法律が再導入されれば、大銀行は解体を迫られる。

ニューヨークのボヤ・インベストメント・マネジメントの投資部門幹部、ポール・ゼムスキー氏はトランプ氏の政策の優先課題が何なのかが分からないため「トランプ大統領」は「市場にとって良いことは何もない」と断言する。

一方でウォール街にはトランプ支持者もいる。スカイブリッジ・キャピタルの創設者アンソニー・スカラムッチ氏は、規制緩和や税制改革への期待から「トランプ氏は経済にとって良い影響をもたらしてくれる」と述べる。

ムーディーズ・アナリティクスのチーフ・エコノミスト、マーク・ザンディ氏の調査によると、トランプ氏の提言が実行に移されれば、財政の大幅な赤字や保護主義により、経済成長は著しく弱まる。「トランプ政権」で350万人の雇用が失われ、株価や不動産価格が落ち込むとみる。

北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉やフォードや米航空機器大手ユナイテッド・テクノロジーズ<UTX.N>がメキシコで生産した製品に対する35%の関税課税といった発言を繰り返すトランプ氏。ただ、実際の市場ではメキシコ関連株の急落は起きていない。むしろ今年はこれまでに10%上昇している。

BMOプライベート・バンクの最高投資責任者、ジャック・アブリン氏は「投資家は現状ではトランプ氏が大統領選に勝利するとは考えていないのだろう」と指摘している。

(Rodrigo Campos記者)

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