- 2016年07月23日 07:31
イチロー3000本安打と失敗から学ぶ力
イチロー選手は、自らの失敗に対して真摯に向かい、その原因を冷静に分析し、そこから克服方法を学ぶ力が非常に高いように思う。
2013年、イチロー選手が日米通算4000本安打を達成したとき、記者会見で大変示唆深いことを話している。
「ヒットを打ってきた数というよりも、こういう記録、2000とか3000とかあったんですけど、こういうときに思うのは、別にいい結果を生んできたことを誇れる自分では別にないんですよね。誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね。(中略)
これからも失敗をいっぱい重ねていって、たまに上手く行ってという繰り返しだと思うんですよね。何かを、バッティングとは何か、野球とは何か、ということをほんの少しでも知ることが出来る瞬間というのは、きっと上手く行かなかった時間とどう自分が対峙するかによるものだと思うので、なかなか上手く行かないことと向き合うことはしんどいですけど、これからもそれを続けていくことだと思います。」
イチロー選手は、4000本のヒットを重ねていく過程で、8000回以上の悔しい思いをし、その失敗に対して真摯に向き合ってきている。そのことこそがイチロー選手の誇りだという。
このエピソードについては、新著『一生伸び続ける人の学び方』で、失敗しても学び続けて必ず実現させる「実現力」を紐解いた章で紹介した。
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同著で紹介しているが、『Harvard Business Review』は、2011年4月号において、「THE FAILURE ISSUE」(日本語版は2011年7月号「失敗に学ぶ人 失敗で挫折する人」)という失敗をテーマにした特集号を組んだ。そこで、ハーバード経営大学院のエイミー・C・エドモンドソン教授は以下のように述べている。
「失敗はすべて悪いという根深い考え方が、組織が失敗から学ぶことを妨げている。しかし、失敗は将来の飛躍のための知の源泉である。失敗の原因や経緯をきちんと理解すれば、責任のなすり合いを避け、失敗から学ぶための効果的な戦略を立てることができる。失敗から学ぶためには、失敗を早めに発見し、徹底的に分析し、失敗を生むための実験や試行テストを設計することだ」
そして、基礎科学研究では実験が時に大成功を収めるものの、その大部分(分野によっては70%以上)は失敗に終わる例を挙げ、効果的に失敗から学習するために、体系的な実験を通じて正しい場所で、正しいタイミングに、戦略的に失敗を生み出すことの重要性について強調する。失敗がつきものであることを理解し、どのような失敗も貴重な情報を伝えてくれることを理解する必要がある。
スポーツでも、ビジネスでも、学術研究でも、そして個人の学びにおいても、失敗の原因を徹底的に研究分析することは、効果的に学習し、新しい研究や事業を進め、物事を実現させるうえで必須のプロセスだ。勉強でも勉強以外のことでも、実現力の高い人は、失敗から学ぶことを決しておろそかにしていない。
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