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- 2016年07月20日 07:06
【ソフバン買収 英から見た場合】
おとといの晩、ソフトバンクがイギリスの半導体開発会社=ARMホールディングスを3兆円以上かけて買収すると発表しました。ロンドンで行われた会見をネット中継で見ていましたら、孫正義社長は「パラダイムシフト」を強調していました。
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(FT)
ソフトバンクからすれば、パラダイムシフトを象徴する買収であり、エキサイティングですが、イギリスから見るとまったく違う景色が見えます。
FTのUK government welcomes Arm takeover but tech leaders mourn loss( 英国政府はARB買収を歓迎も、ITリーダーは嘆く)によると、イギリスを代表する企業の買収ーそれも「肉食外資」による買収ー は、相当にショックだったみたい(≧∇≦)
ざっくりこんな内容です(全文の翻訳ではありません)。
本文に登場するARMの創業者がBBCのインタビュー(動画)でも同様に嘆いています。
http://www.bbc.com/news/business-36827769
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イギリス政府はソフトバンクが243億ポンドで半導体開発会社のARMホールディングスを買収し、新たな雇用を創出するという約束を歓迎した。
しかし、野党やIT業界のリーダーからはARMが外資に買収されることでイギリスのIT業界にとっては大きな打撃だ(a big blow)という警告も聞かれた。
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(FT)
フィリップ・ハモンド(Philip Hanmond)財務相は、ソフトバンクによる買収について、イギリス経済に対する「信頼の証(big vote of confidence)」として、イギリス国内の雇用を倍増することを手放しで支持した。
18日の記者会見で、ソフトバンクは、イギリスでのARMの雇用を新たに1500人分を創出し、海外でも雇用を増やすことを約束。日本のソフトバンクはさらに、ARMの本社を引き続きケンブリッジに置くとも言った。
しかし、元ビジネス担当相のVince Cableは、閣僚に対してデューデリジェンスをもっと徹底するよう求めた。彼は、2014年に米製薬会社Pfizerによる英AstraZenenca買収騒動の際、イギリスの雇用と開発拠点を守ることを法的に縛らない限り、阻止すると声高に叫んだ人物である。
ケーブル氏は「本件がよいことか悪いことか、すぐに結論は出せない。ARMはイギリスで唯一残された大手のIT企業(the last big British tech company which is standing)である。潜在的な影響を無視できない。Pfizerの経験で学んだはずだ」と述べた。
さらに「イギリスで大手のIT企業を成長させられないこと自体が心配だ。アメリカのFacebookやGoogleのような会社はイギリスでは生まれない。一定の大きさまで成長すると乗っ取られてしまうからだ」とも。
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(FT)
メイ首相は、イギリス企業を肉食系の外資(predatory foreign investors)から守ることを約束して先週、就任したが、政府による介入の力は限られる。
労働党のIain Wright議員は、今回の買収提案について自らが議長を務めるビジネス委員会で検討する案件だという考えを示した。
その上で「まずはビジネス担当相のGreg Clarkからイギリス政府のアプローチを確認したい」と述べた。Wright議員は「片方ではイギリスがビジネスにオープンであることはよいことだ。一方で、外資がイギリス企業をイギリスから移転するリスクもある」と言う。
ARMは、1990年にAcorn Computersからスピンオフしたが、当時ARMの創業にかかわったHermann Hauserは、ソフトバンクによる買収について、Brexitによる「悲しく、思わぬ影響だ」と説明した。
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(BBC)
現在はAmadeus CapitalのパートナーとなったHauser氏は、ソフトバンクによる買収はイギリスのIT業界にとってはバッドニュースだと指摘する一方で、それを阻止する権限は政府にはあまりないことも認めた。
「ARMは私の人生でもっとも誇るべき精華であり、イギリスのIT業界で最大のプレイヤーである。ARMの将来はイギリスの経営陣によって決めることができたが、今後は日本で決まることになる」とFTへのインタビューで答えた。
「ソフトバンクは買収相手としては妥当だと思うが、これは残念ながらBrexitの思わぬ影響である。通貨ポンドの下落によって企業価値が下がった。もちろん以前から検討されていたと思うが、今動いたのはチャンスだったからだ」と分析した。
さらに、「独立を失うのは悲しいことだ。イギリスはITの世界でどんどん小さなプレイヤーになっている。ただ、介入の根拠はあるか?国際的に考え ればない」とも述べた。
調査会社TechMarketViewのRichard Holway会長は、ARMが「肉食系の外資」に乗っ取られたことを受けて、ポンドがドルや円に対して急落していることを踏まえて、ほかのIT企業も「非常に脆弱になる」と指摘する。「イギリスではハードウェアのメーカー、ソフトウェアのメーカー、 IT 企業を育ててきたが、最終的にはフランス、アメリカ、あるいは日本の投資家に買収されている」と続ける。
ARMは、ソフトウェアメーカーSageと並んで、ロンドン証券取引所に上場し、イギリスの株価指数FTSE100を構成するIT企業わずか2社のうちの1社である。
ソフトバンクが買収することでイギリスの株式市場からなくなることは、ただでさえIT 企業を専門とするアナリストの輪をさらに小さくすることになるという懸念が広がっている。
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(FT)
ソフトバンクからすれば、パラダイムシフトを象徴する買収であり、エキサイティングですが、イギリスから見るとまったく違う景色が見えます。
FTのUK government welcomes Arm takeover but tech leaders mourn loss( 英国政府はARB買収を歓迎も、ITリーダーは嘆く)によると、イギリスを代表する企業の買収ーそれも「肉食外資」による買収ー は、相当にショックだったみたい(≧∇≦)
ざっくりこんな内容です(全文の翻訳ではありません)。
本文に登場するARMの創業者がBBCのインタビュー(動画)でも同様に嘆いています。
http://www.bbc.com/news/business-36827769
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イギリス政府はソフトバンクが243億ポンドで半導体開発会社のARMホールディングスを買収し、新たな雇用を創出するという約束を歓迎した。
しかし、野党やIT業界のリーダーからはARMが外資に買収されることでイギリスのIT業界にとっては大きな打撃だ(a big blow)という警告も聞かれた。
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(FT)
フィリップ・ハモンド(Philip Hanmond)財務相は、ソフトバンクによる買収について、イギリス経済に対する「信頼の証(big vote of confidence)」として、イギリス国内の雇用を倍増することを手放しで支持した。
18日の記者会見で、ソフトバンクは、イギリスでのARMの雇用を新たに1500人分を創出し、海外でも雇用を増やすことを約束。日本のソフトバンクはさらに、ARMの本社を引き続きケンブリッジに置くとも言った。
しかし、元ビジネス担当相のVince Cableは、閣僚に対してデューデリジェンスをもっと徹底するよう求めた。彼は、2014年に米製薬会社Pfizerによる英AstraZenenca買収騒動の際、イギリスの雇用と開発拠点を守ることを法的に縛らない限り、阻止すると声高に叫んだ人物である。
ケーブル氏は「本件がよいことか悪いことか、すぐに結論は出せない。ARMはイギリスで唯一残された大手のIT企業(the last big British tech company which is standing)である。潜在的な影響を無視できない。Pfizerの経験で学んだはずだ」と述べた。
さらに「イギリスで大手のIT企業を成長させられないこと自体が心配だ。アメリカのFacebookやGoogleのような会社はイギリスでは生まれない。一定の大きさまで成長すると乗っ取られてしまうからだ」とも。
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(FT)
メイ首相は、イギリス企業を肉食系の外資(predatory foreign investors)から守ることを約束して先週、就任したが、政府による介入の力は限られる。
労働党のIain Wright議員は、今回の買収提案について自らが議長を務めるビジネス委員会で検討する案件だという考えを示した。
その上で「まずはビジネス担当相のGreg Clarkからイギリス政府のアプローチを確認したい」と述べた。Wright議員は「片方ではイギリスがビジネスにオープンであることはよいことだ。一方で、外資がイギリス企業をイギリスから移転するリスクもある」と言う。
ARMは、1990年にAcorn Computersからスピンオフしたが、当時ARMの創業にかかわったHermann Hauserは、ソフトバンクによる買収について、Brexitによる「悲しく、思わぬ影響だ」と説明した。
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(BBC)
現在はAmadeus CapitalのパートナーとなったHauser氏は、ソフトバンクによる買収はイギリスのIT業界にとってはバッドニュースだと指摘する一方で、それを阻止する権限は政府にはあまりないことも認めた。
「ARMは私の人生でもっとも誇るべき精華であり、イギリスのIT業界で最大のプレイヤーである。ARMの将来はイギリスの経営陣によって決めることができたが、今後は日本で決まることになる」とFTへのインタビューで答えた。
「ソフトバンクは買収相手としては妥当だと思うが、これは残念ながらBrexitの思わぬ影響である。通貨ポンドの下落によって企業価値が下がった。もちろん以前から検討されていたと思うが、今動いたのはチャンスだったからだ」と分析した。
さらに、「独立を失うのは悲しいことだ。イギリスはITの世界でどんどん小さなプレイヤーになっている。ただ、介入の根拠はあるか?国際的に考え ればない」とも述べた。
調査会社TechMarketViewのRichard Holway会長は、ARMが「肉食系の外資」に乗っ取られたことを受けて、ポンドがドルや円に対して急落していることを踏まえて、ほかのIT企業も「非常に脆弱になる」と指摘する。「イギリスではハードウェアのメーカー、ソフトウェアのメーカー、 IT 企業を育ててきたが、最終的にはフランス、アメリカ、あるいは日本の投資家に買収されている」と続ける。
ARMは、ソフトウェアメーカーSageと並んで、ロンドン証券取引所に上場し、イギリスの株価指数FTSE100を構成するIT企業わずか2社のうちの1社である。
ソフトバンクが買収することでイギリスの株式市場からなくなることは、ただでさえIT 企業を専門とするアナリストの輪をさらに小さくすることになるという懸念が広がっている。



