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義を明らかにして私を計らず

天皇陛下の御退位の話が、衝撃的にマスコミに浮上し、連日、ご成婚以来の天皇皇后両陛下の御様子が放映された。その両陛下の懐かしい映像は、私の小学生のころから現在までの生きてきた期間そのものである。
つまり、私は今上陛下を戴いて生きてきた、と、あらためて、しみじみとした感慨にうたれた。

  御民(みたみ))吾 生ける験(しるし)あり 
  天地(あめつち)の栄ゆる時に 遇へらくおもへば

 そして、この万葉集の歌を思い起こしていた。
 すると昨日、難波神社での勉強会の際に、畏友の南輝雄弁護士が橘諸兄の次の歌を引用されて挨拶された。

  降る雪の 白髪(しろかみ)までに 
  大皇(おおきみ)に 仕へまつれば貴くもあるか

 さらに、思われる
 東国に金が発見されたことを祝う大伴家持の長歌の一節

  海ゆかば水漬くかばね 山ゆかば草生すかばね
  大君の辺にこそ死なめ かへりみはせじ

 このように、日本人は常に何時の世も、現在も、万葉集の時代も、変わることなく、その御世に戴いた天皇とともに生きてきた。
 まさに、これが万世一系の天皇であり、それ故、教育勅語の次の一節は真実である。

  是の如きは 独り朕が忠良の臣民たるのみならず
  又以て爾祖先の遺風を顕彰するに足らん

 この度の、天皇陛下の生前御退位の報道に接して、感慨深く、また日本に生まれた幸せを思った。

 それにしても、この天皇のお立場は、想像を絶するではないか。
 伝統と重責を一身に背負われて年間二十種以上の宮中祭祀をされる天皇陛下の至高のお姿を皇后陛下は次のように詠まれた(平成十年)。
 皇太子殿下がお生まれになったときの御歌(昭和三十五年)とともに記しておく。

   ことなべて 御身ひとつに負い給ひ
   うらら陽(び)のなか何思(おぼ)すらむ

   あづかれる宝にも似て あるときは
   吾子ながら かひな畏れつつ抱く
 
 また、天皇陛下のお立場と御日常は、先帝陛下である昭和天皇のお立場と御日常とお変わりない。
 昭和二十年に昭和天皇の侍従長であった藤田尚徳氏は次のように書いている(「侍従長の回想」講談社)。

 侍従長に就任して以来、身近に接した陛下の御日常は、外部から想像するとは、およそかけ離れた質素なものであった。
 
 そしてそこに発見したものは、上御一人の立場に立たれた陛下が、戦争の終結と平和の回復のために尽くされた超人的な努力である。
 国家の存亡をかけた動乱の舞台に、ただお一人出通して楽屋へ下がることも許されず、その間に、陛下がひたすら念じていたことは・・・
 平和の世界に、いかにして戻れるかという祈りである。

 以上の通り、天皇陛下のことを思いつつ日々を過ごしてきた。
 御民吾は、「皇家の成典」(皇室典範制定の勅語)に基づく皇位の継承と皇室の弥栄を切に祈るのみである。

 斯くの如き次第で、七月十日に結果がでた参議院選挙のことや東京都知事選挙のことに関しては、次元が違うので書くことはなかった。

 とはいえ私は、自らを省みて、次の言葉の通り、参議院選挙を闘うことができたとお伝えしておきたい。

   義を明らかにして 私を計らず

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