記事

知っておくべき好ましい経済発展の原則

1/2
 消費税率10%への引き上げが、当初の本年に必ず実施するとしてきた公約に反して2年半先の平成29年秋まで見送られることとなり、これまでの安倍政権、とりわけアベノミクスの成果の是非が7月の参議院議員選挙での争点になろうとしている。
 そこで本稿では、国民の大多数を占める一般民衆の誰でもが、政治的配慮が加味された都合の良い政府の公表指標値や権力追従志向の強いマスコミ論調に影響され、無定見に勝ち馬に乗ろうと付和雷同することなく、これを冷静に正しく評価・判断をし、我々の良き代弁者を選出するためのご参考までに、改めて好ましい経済発展の原理について、極めて平易に述べることとしよう。

 この種の政治・経済的実績の評価は、当面の対応策か将来への布石も含めたものか、マクロ的な大局的な鳥の目とミクロ的な身近な体感的虫の目視点のどちらに重点を置くか、民衆の生活実態か国家経済を牽引するといわれる大企業の業況に焦点を当てるか、総体の単純平均値、加重平均値、中位数、最頻値(並み数)のいずれを重視するかなどで、受け止め方も評価も、判断も変わってこよう。

 また、如何に著名で有能な評論家や学者の論評であっても、それぞれなりの置かれた立場上から、自分が所属する分野に関しては多少弁護したくなるという情が働き、例えば証券業界に籍を置く評論家は、常に株価の好調さを期待し、その消極的な下落の危険性予告表明を避けたがる心理的傾向が入り込む余地があろうことは否めないであろうから、その点を考慮して受け止める必要もある。
 しかし筆者が予てから強調していることであるが、「道に迷った時は原点回帰、歴史と自然は最も良き教科書」であり、「真理は不変」であるから、「過去の貴重な失敗や成功体験から培ってきた原理原則は尊等すべき」であり、これは正しい経済実態の捉え方や評価にも通じることである。

 現在の人類は、好む好まざるに係わらず経済社会の中で生活し、経済知識なくしてはビジネス活動も日常の家庭生活も成り立たないし、特に昨今は、地獄の沙汰も金次第、お金や所得に対する執着が強く、拝金主義であるとまで言われるようになっているが、その割には近年、大学の経済学部志向者が減少傾向を示しつつある。
 そこで学生に「経済とは何をどうすること、経済という言葉を聞いての印象や感想は?」と聞くと、「お金儲けのこと」との返答が一番多く、「お金が欲しく、お金儲けに関心があるか?」との質問には「その通り」と答える。

 では「なぜ経済学部を志向しようと思わないのか?」と重ねて聞くと、「難しくてなじめず、頭の良い者が学ぶ専門的な学問であり、われわれ凡人には関係がない」と応え、「経済とは、それは目的か手段なのか…?」という質問には、曖昧な答えしか返ってこない。

 この一端の責任は、いきなり難しい専門用語で一方的な理論だけの講義に終始し、お前たちはこんなことも知らないのかといった上から目線と態度で接する大学側の教育姿勢にも大いに問題があり、筆者自身も十分に留意しなければならないことと自戒し、出来るだけ平易な言葉と豊富な身近な事例での説明をと心がけているつもりであるが、そうすると今度は、学生志向を主体としない学界からはアカデミックな講義でないと評されるが、それでも自己の信念を曲げずに貫きと通そうと念じている。

(1)好ましい経済発展の理念

 さて、先ず初めに、政治・軍事は経済に優先し、その運営の適否を決定付けるのは人間の理念と意識と能力であるから、好ましい経済発展は、内外の政治・軍事的安定と平和維持、人間の質の向上を前提としてこそ達成しえるものといえる。

 したがって好ましい政治や経済の原点を考える場合、あくまでも正しい基本的理念を主柱とすべきだが、それは、日本の欧米風の近代化に際して福沢諭吉が、英語で経済を意味する「Economy」を「経世済民」と名訳したことと、昔々、仁徳天皇が、高楼から周辺の景色を眺め、各戸から夕餉の準備の煙が立ち昇るのをご覧になられ、「民の竈は潤いにけり」とご満足になられたという逸話が伝えられているが、正にこの二言に尽きるといえよう。

 つまり、経済の「経」は、道徳律と、自然界や周囲の環境条件などにより予め与えられた制約条件の枠内で、人間の理性と英知や技能をフルに発揮する事、経済の「済」は、「モノ」のやり取や「カネ」の貸借の決裁をきちんとつけることである。
 故に、返済の裏づけが確実とはいいえない赤字国債の乱発や、無制限な超金融緩和、マイナス金利などで、無理に生産の拡大、消費需要を喚起し、過剰借金で豊かな目先の経済発展や景気回復を演出し、供給と需要の不均衡化を招き、将来に付け回しをするなどということは、決して適切で健全な経済発展策とはいえないのだ。

 英語の「Economy」の語源はギリシャ語の「oikos-nomiya」、即ち「良い家庭管理」であり、社会生活を構成する基盤となる個々人の家庭生活が円滑に運営されることを第一義とすべきこと。
 また、エコノミーは「Ecology」にも通じるので、「自然の摂理や環境との調和的発展の重要性」を示唆するものであり、よって国家総体的・外観的な経済規模の大きさや、特定大企業や富裕層に偏重した豊かさだけで引き上げられた平均値の高さ、財物的な豊かさが良い経済や幸せの価値尺度であってはならず、極端な貧富格差がなく、国家社会の根底をなす「民衆の家庭生活の安定と安心・安全、物心一如の豊かさが満たされている」こと、「最大多数者の最大幸福の実現」があってこそ、真に好ましい経済発展であるといえよう。

(2)国家経済発展のために必要とされる諸要素

 健全な国家経済発展のために必要な諸要素は、以下に述べる「7・5・3の要素」だとご記憶下さい。
 ①基本的要素7項目(7気)…士気、鋭気、勇気、活気、根気、才気、天気  経済を運営するのは人間であるから、国民各位が将来に希望を抱き、より良い状態にしようという強い意志と前向きな気持ちで行動すれば、現状はどうあれ、必ず良い方向に前進し得るものである。従って先ず心の持ち方としての6項目と、それに語呂合わせで覚え易く天気の「気」を加えたのは、気象条件の異変が農業・食糧生産や天災の招来、ひいては経済動向に大きく影響するからである。

 ②直接的要素5項目(5M)…モノ・カネ・ヒト・土地(市場)・制度(情報など)   通常はモノ・カネ・ヒトの3要素とされるが、現代ではそれに経済活動の場面である市場環境と、情報処理や規制緩和など種々の制度や手法が大切と考え、これらの英語の頭文字で「5M」とご記憶下さい。

 ③コスト的要素3項目(3安)…資源エネルギー・労働・金融のコスト   利益は元にあり、3要素の入手コストが安く、それに更に価値を付加してこそ最大利益が効率よく得られる。

あわせて読みたい

「経済学」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。