- 2016年07月16日 08:35
【ポケモンGOの生みの親】
拡張現実( AR )のゲーム=ポケモンGOの配信が先週アメリカで始まって以来、たいへんな話題ですね。
開発したのは Niantic(ナイアンティック)で、そのトップはJohn Hanke という49歳の方。欧米の報道では Niantic が中心で、どんな会社か気になっていました。
社名の由来(黄金を運ぶ船の名前で数奇な運命)からハンケ氏の人となりについて FTが特集。
The man who put Pokemon GOon the map (ポケモン GOを地図に載せた男)というタイトルがしゃれています。
ハンケ氏はもともとGoogle Map で位置情報を担当していたので、そのmapとput on map(有名にする)をかけています。ざっくりこんな内容です(全文の翻訳ではありません)。
画像を見る位置情報を示す新しいアプリが登場。爆発的な人気で、サーバーがパンク寸前。まるでポケモンGOのようだが、2005年に発表されたGoogle Earthのことだ。
多くの人たちが生まれて初めて宇宙から自宅の様子を見て、Googleのサーバーがパンクしそうになった。
Google EarthとポケモンGOの2つのアプリの開発責任者がJohn Hankeだ。ポケモンGOを手掛けたのはサンフランシスコにあるベンチャー企業のNianticである。これはAR=拡張現実の会社で、ハンケ氏が最高経営責任者を務める。
Nianticの社名の由来は1800年代のゴールドラッシュ時の船の名前で、この船は今ではサンフランシスコの下に沈んでいる。この会社はGoogleの社内ベンチャーとして生まれ、去年10月に独立した。
ハンケ氏は49歳。デジタル地図作成(digital cartography)や衛星写真を得意とするKeyholeを立ち上げたあとGoogleに買収され、Googleで10年以上を過ごした。Keyholeの技術がGoogle EarthやGoogle Mapの基盤となったのである。
ハンケ氏はカリフォルニア大学で勉強するためにサンフランシスコのベイエリアに引っ越す前は、ミャンマーで米国務省の仕事をしていた。ビデオゲームの会社などあわせて3つのベンチャー企業を立ち上げ売却した。
Google Mapを軌道に乗せ、最初のiPhoneに搭載させることに成功した2010年には、ハンケ氏は新たなチャレンジを探していて、Niantic Labs(ナイアンティック研究所)を立ち上げた。
当時のことについて、ハンケ氏は去年FTとのインタビューの中で「モバイルのアプリと地理位置情報、それにエンターテインメントが重なる分野を探すために立ち上げた(specifically to explore that intersection between mobile apps and geolocation and entertainment)」と振り返った。
さらに「イメージとしてはAR=拡張現実だけど、特別なメガネが必要ない(The notion was that it was augmented reality but it doesn’t require special glasses)」とも。
最初の成功事例はこれまでに1500万人を引きつけたIngressという、実際の場所を移動しながら陣取り合戦を繰り広げるSFゲームだった。
GPS機能をベースとし、利用者が発する位置情報を活用したIngressは、ポケモンGoにつながった。ハンケ氏は「このゲームは、緊張をほぐし、人を結び付けるものである。みんながもっとも楽しいのは家から外に出るところにある(The game is icebreaker and glue. The real fun that people get out of it is going out of the house)」と言う。
Ingressのファンの一人が石原恒和氏だった。任天堂とゲームフリーク、それにクリーチャーズが株主の株式会社ポケモンの社長だ。Googleと株式会社ポケモンは2014年4月1日のエイプリル・フールに、Google Mapの中にポケモンを隠すといういたずらを共同企画した。
ハンケ氏は、Googleの持ち株会社のAlphabet から Niantic を独立させる前に、ポケモンGOの開発に 取り組むという契約にこぎつけた。このためには Google と忍耐強く交渉することが必要だったが、ハンケ氏によるとNiantic が伸びるには不可欠な条件だった。「技術的なノウハウで Googleのリソースに本当に助けられた」と言う。
一方で独立したことで、任天堂やApple といった企業との交渉が「少しやりやすくなった (a little bit easier)」とも。
ハンケ氏を突き動かすのは、ポケモンをバーチャルな地図の中で追いかけることでコンピューター画面の前から離れ、もっと運動して欲しいという思いだ。
画像を見る(Oculusと私)
FacebookのOculusRiftのようなゴーグルを念頭に「人間は、暗い部屋で頭のまわりに電気機器をまきつけるようにはできていないと思う。外に出て人間どうしのつながりを作ることに私自身は夢中になれる」と語った。
ポケモンGOの安全性に不安を持っている人や、ポケモンハンターが自宅周辺にやってきたという人は、このゲームがそもそも社会に良いものかどうかを議論するかもしれないし、このアプリがこの後も今ほどの人気を維持できるかは分からない。
ポケモンGOは、ヨーロッパやアジアでの配信を始めることで、初期の問題(teething problems)を克服しつつある。ハンケ氏の友人は、シリコンバレーの技術者は「世界を良くしたいと考えていている。ジョン・ハンケは2度も達成した」と言う。



