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焦点:仏大統領選、サルコジ氏が有力候補に急浮上

[パリ 13日 ロイター] - 2017年に実施されるフランス大統領選で、保守系の有力候補としてサルコジ前大統領が支持率を拡大している。

最大野党の右派・共和党では、ライバルのジュペ元首相がここ数カ月間勢いを維持してきたが、最近になって主要支持者からの支持率でサルコジ氏に抜かれた。

大統領任期中に自由市場改革派と左派を失望させ、2012年の再選を逃したサルコジ氏は、中道右派の有権者全体からの支持では依然としてジュペ氏に劣るものの、その差は縮まっている。

難民危機や英国の欧州連合(EU)離脱問題など、欧州が厳しい状況に直面する中、サルコジ氏の支持拡大は、意志の強い政治家としての同氏のこれまでの実績が大きく関わっている。

共和党議員のダニエル・ファスケル氏は「現在われわれが直面している危機への対応に必要な経験が、サルコジ氏にはあると考える有権者がますます増えている」と指摘した。

サルコジ氏はまだ正式に出馬を表明していないが、11月の予備選に向け選挙運動がヒートアップしていく中、選挙戦では経験が同氏の切り札になる見通しだ。

ただ法的なトラブルや型破りな性格が自らの足を引っ張る可能性もある。

<アイデンティティー政治>

サルコジ氏は過去数週間、EU改革などの問題についてジュペ氏よりも積極的に発言している。

また、共和党の穏健派議員フランソワ・バロワン氏の支持を取り込むなど自身のイメージを和らげることにも力を入れる。

さらに、フランス国家のアイデンティティーを保護するという同氏の特徴的なテーマにもあらためて演説で触れ、極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首に引きつけられる草の根の支持者らを取り戻そうとしている。

こうした戦略はある程度奏功し、過去2週間の世論調査では、共和党支持者の間でサルコジ氏がリードを拡大。中道右派の有権者全体でも、リードするジュペ氏との差が縮小している。

ジュペ氏の選対責任者、ジル・ボワイエ氏は、ロイターに対し「われわれは(サルコジ氏の)中核的な支持者も含めて非常に高い支持率に達していた。彼は自身の基盤の一部を再構築しつつある。だが、指導的立場にあるのは依然としてわれわれだ」と語った。

Ipsos-Cevipofの世論調査を有権者の職種別で見ると、予備選への参加が確実とみられる管理職や年金受給者の間ではジュペ氏が圧倒的に優勢な一方、サルコジ氏は従業員やブルーカラー労働者らに人気が高い。

ボワイエ氏は「投票に行く傾向が強い有権者の間でリードしている方が有利だ」と指摘した。

<オランド氏はサルコジ氏との対決を希望>

8月の最終週には、サルコジ氏が出馬を表明する見通しで、ジュペ氏はパリ近郊で大規模集会を計画する。

9月上旬までには最終的な候補者がおそらく6人に絞られる。

11月20日と27日の共和党予備選の前にはテレビ討論が3回行われる予定。

ジュペ、サルコジ両氏は減税や小さな政府など政策が似通っており、人柄や価値観、信頼性が争点になる見通しだ。

現職オランド大統領の関係者は、同氏が、来年4月の大統領選第1回投票でジュペ氏よりもサルコジ氏との対決を望んでいると明らかにした。その場合、5月の決選投票に残り、ルペン氏との一騎打ちになる可能性が高まるとみているという。

オランド大統領率いる社会党のある幹部は「サルコジ氏は非常に偏向している。ジュペ氏が左派の有権者を怖がらせて遠ざけることはないが、サルコジ氏は違う」と指摘。「したがって左派に関する限りでは(対立候補として)サルコジ氏の方がよい」と語った。

(Ingrid Melander記者 翻訳:佐藤久仁子 編集:加藤京子)

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