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ハーグの仲裁裁判所は中国の主張認めずと公表

リンク先を見る南シナ海での領有権を主張する中国と、極めて重要な国際貿易ルートでもある同海域における同国の行動に反発したフィリピンの提訴を受け、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所The Permanent Court of Arbitration in The Hague, Netherlands は2016年7月12日日本時間の夕方、裁定を下す。

南シナ海の9割に主権が及ぶと中国は主張し、フィリピンは国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、異議を申し立てているが、中国の劉暁明駐英大使は、「実際いつ裁定が下されるのか、知らないし、関心もない。どのような裁定が下るにせよ、全面的に間違っていると考えるからだ」とロンドンでの昼食会でロイターに語り、南シナ海ではさまざまな民間設備が完成もしくは建造中だと述べ、軍事施設も建造中だと認めている。

しかし、この中国の無視する態度は、領有権紛争リスクをさらに高めることになると、弁護士や外交官、安全保障の専門家らは指摘する。裁定結果が下された後で、中国が軍事及び民生用目的で同海域の島々と岩礁を開発し、地域の安定を脅かしていると考える米政府がどう対処するかによって、この地域における中国の信頼性が試されると広く受け止められている。

リンク先を見る中国は、第2次世界大戦で日本が敗戦した後で、地図上に引いた、境界があいまいなU字型の、いわゆる「九段線」で領有権を主張している。中国は、このような領有権問題は国際仲裁ではなく、二国間協議によって解決されるべきとの同国の主張を40カ国以上が支持しているとするが、公の場で中国への支持を表明した国はほんの一握りだ。フィリピンが自らの主張の拠り所にしているUNCLOSは、島や岩礁などのさまざまな地理的な特徴から、どのような領有権を主張できるかを規定している。中国はこの条約の調印国であり、これは同国が国連に加盟後、最初に合意した国際条約のうちの1つだ。裁定を控え、英国やオーストラリア、日本などの国々は、米政府ともに、航行の自由や法の秩序を尊重することの重要性を強調している。参照記事

主要7カ国(G7)と欧州連合(EU)は、中国の反対があったとしても、裁定は拘束力を持つべきだと述べているが、法律の専門家は、裁定は技術的に拘束力があるとはいえ、UNCLOSの裁定を執行する機関が存在しないと指摘する。現実には、インドネシア領ナトゥナNatuna Islands諸島沖ではすでに中国船の拿捕という、実力行使が起きている。 過去ブログ:2016年6月親日派インドネシア海洋・水産相、違法中国漁船を拿捕

リンク先を見る国際裁定結果:南シナ海をめぐる中国の主張や行動は国連海洋法条約違反などとしてフィリピンが申し立てた仲裁手続きで、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は12日、中国が「歴史的権利」として主張する「九段線」について国際法上の根拠は認められないとの裁定を公表した。南シナ海のほぼ全域の主権を主張して強引に進出する中国に対し、初めて国際法に基づく判断が下された。参照記事

「九段線」について「歴史的権利を主張する法的根拠はない」との判断を下し、また、南沙(英語名スプラトリー)諸島で中国が造成する人工島に関し、排他的経済水域(EEZ)は生じないと判断した。習近平政権は「仲裁裁判に管轄権はなく、判決には拘束力がない」(王毅外相)との立場を取り、判決には従わない姿勢を示している。参照記事

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