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セルフメディケーション

一般用医薬品(OTC医薬品)の解熱鎮痛薬の市場で、高機能・高価格の商品が徐々に拡大しているそうです。

その背景にあるとされているのは、頭痛時などに速く効いて身体に負担が少ない薬に対する需要の高まり。仕事や家事に忙しい女性(特に30代以上)を中心に、多少値段は高くても素早く痛みを抑え、胃も荒れにくい薬が求められるようになっています。

製薬会社の試算によると、解熱鎮痛薬市場では主流の1箱400~600円の商品は
売上高が縮小傾向にあるのに対し、1000円を超えるものは少しずつ増えてきており、現在は2割以上を占めるようになっているとのこと。

このような需要の変化は、日本社会にセルフメディケーション(自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること)が浸透してきて、薬のユーザーが自分たちの真のニーズを理解し始め、商品についての知識と理解を深めつつあることを示唆しているのではないでしょうか。

セルフメディケーションは、政府が日本再興戦略でも取上げ力強く推進している政策の一つ(来年1月1日からは、スイッチOTC医薬品を購入した費用について所得控除を受けることができるという税制も始まります)。健康増進・予防や生活支援を担う市場・産業を戦略分野として創出・育成することが目的とされています。もちろん医療費削減の狙いもあります。

よく言われることですが、日本人は薬を飲みすぎています。国民皆保険の下、病院に行けば安く医療用医薬品を得られるので「安静にしていれば治る」と言われても患者は手ぶらでの帰宅を納得しないことが多く、医者としても診療報酬が入るのでついついお土産を渡してしまう。

また、日本人は初期の段階で副作用が出ない限りその薬を安全だと思う傾向が強く、何種類も同時に服用することにも抵抗がありません(薬漬けの問題も深刻化しています)。

こういったコスト感覚や副作用の捉え方は、医療費の増大を招いているばかりではなく、結果として国民の健康を損なっているおそれがあります。

セルフメディケーションが普及していけば、こうした現状を変えていく可能性も秘めています。そして、国民の間で、軽い症状の際に公的負担のない大衆薬を自分の判断で使用するといった動きが広まっていけば、コスト意識も副作用への関心も高まっていくはずです。

以上のような観点から、セルフメディケーションが一般化していくことには賛成ですし、成長戦略として大いに進めてほしいと思いますが、そのためには要指導医薬品のネット販売を禁止している薬事法の見直し等も含めて、OTC医薬品にもっと自由にアクセスできるようにしていくべきです(もちろん安全が第一ですが、対面なら安全、ネットは危険というような知見は全く確立されていません。むしろサイトでしっかりと確認画面を設けた方がよほどしっかりとしたチェックができます。http://ameblo.jp/koutamatsuda/entry-11447316092.html )。

安倍総理の成長戦略は、どれもこれも不十分で骨抜きになってしまっている印象が拭えませんが、セルフメディケーションは財政再建や国民の健康・幸福とも密接に関係するものですので、中途半端に終わらないようにしなくてはなりません。

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