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花森安治が45年前に鳴らした警鐘

 いま放送されているNHKの朝ドラは、戦後まもないとき、大橋鎭子(高畑充希のモデル)の家族と、花森安治が編集長として主導して創刊した『暮しの手帖』の独立精神、反骨精神の話です。

 花森が1970年に『暮しの手帖』に掲載した「見よぼくら一戔五厘の旗」というエッセイ(翌年、暮しの手帖社から刊行した『一戔五厘の旗』所収)には、先の大戦がもたらした悲惨さを反省して、不戦を誓うとともに、次のように述べます。

民主主義の「民」は、庶民の「民」だ
ぼくらの暮しをなによりも第一にする、ということだ
ぼくらの暮しと企業の利益とがぶつかったら 企業を倒す、ということだ
ぼくらの暮しと政府の考え方がぶつかったら 政府を倒す、ということだ

 いま、私たちがこの言葉をかみしめる必要があるのは言うまでもありませんが、かみしめなければならぬのは、残念なことです。そういう時代になってしまった、ということでしょう。

 それにしても、NHKがこの時期に、このテーマを取り上げていることの意味は小さくありません。制作者たちの慧眼と勇気は称賛に値します。願わくは、NHKの会長がこれに気づかないように! 願わくは、安倍晋三氏が多忙でテレビを見る暇がないように!

 安倍氏に知られたら、例によって圧力をかけるに違いありません。NHK会長はそれを忖度(そんたく)して、自主規制をかけてしまうでしょう。

 7月10日に、戦争への道を進める一歩を踏み出すことがないよう、花森の警句を再読し、味わう契機となればよいのですが。

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