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国民投票に対する懐疑的な論調について

EU離脱派が勝利した6月23日のイギリス国民投票。

世界各国の想定が外れた結果になったためか、国民投票という制度への懐疑的な論調が生まれつつあります。

ポピュリズムに陥る危険性を指摘する声が相次ぎ、日本では閣僚からもそのような見解が示されました。

しかし、それらの意見は、民主政治とは何かを理解していないために発せられたものと言わざるを得ません。

民主主義の原則を分かりやすく示しているのは、「人民の人民による人民のための政治」というリンカーンのゲティスバーグ演説ですが、これに則った政治がきちんと行われているのであれば、国民投票の結果が代表民主制での決定と同じになるはずで、大衆迎合主義とはならないからです。
 
問題の本質は、現在の政治が国民本位のものになっていないこと。政治家や官僚がポピュリズムを唱えるとき、その根底には多分にエリート主義的な考えがあります。主権者の考えよりも自分たちの決定の方が正しいと思い込んでいるため、悪びれることもなく衆愚と決めつけ、国民の思いを軽視した政策を行うのです
(その他、最大多数の最大幸福よりも一部の団体の利益を優先させたいという思惑がある場合もあります)。

私は、間接民主制が基本であることに異論はありませんが、それが機能不全に陥った際に民主政を回復するための手段として、国民投票はなくてはならないと考えています。

残念ながら、選挙という制度は、本質的に人(・政党)を選ぶものであって、政策を選択するものとはなっていません。にもかかわらず、与党となった政党は、自分たちの政策すべてが信任を得たと言って憚らず、挙句の果てに平気で公約違反までしますので、それに対する歯止めが必要なのです。

私(元気会)は何でもかんでも国民投票で決めればいいとは言っていません。間違っても、少数派の人権を制限する政策を正当化するために利用するようなことはあってはなりません。

しかし、政府・議会の考えと国民の意思が乖離している場合や、国論が二分されている場合には、積極的に行うべきです。もちろん、まずは代表者による議論を重ね、国民の大半を納得させられるような結論に達することを目指すべきですが、それができない場合に優先されなくてはならないのは、政権与党の方針ではなく、国民の大半の意見だからです。

今回の英国では、残留派のキャメロン陣営の意向に反する結果となりましたが、それは国民投票を行ったこと自体が悪かったのではなく、これまでのEU政策と、投票運動期間中の政治活動が失敗だっただけです。

ただ残留を呼びかけるだけではなく、離脱派が多い高齢者・地方・労働者・非富裕層に対して、集中的に残留のメリットと離脱のデメリットを訴え、その人たちの声をしっかりと聴いて今後のEU政策を行う姿勢を見せていれば、違う結果となっていた可能性は高いです。

イギリスでは離脱票を投じた人の中に「騙された」と言っている人が多いというような報道もありますが、一方の意見だけではなく反対の意見もしっかり聞いてから判断をするというようにリテラシーを高めていくことが重要です(誤った情報を流すような政治家は再選させないことも大事です)。

先進国の教育レベルを考えると、国民に政治的判断を下す能力がないなどということはあり得ません。正確かつ必要十分な情報があれば、しっかりとした国民意思が示されます。

間接民主制のほころびが見える今、国民投票は民主政を担保するためになくてはならないものです。民主主義を発展させるためにも、まずは日本でも憲法改正以外の国民投票が可能となるよう、今後とも提言していきたいと思います。

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