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先進国の経済力は人口が決め手

先日、さるところで講演した。今後の世界経済、日本経済を考えるうえで何がポイントとなるかというお題だった。「そんなこと、すぐに答えられれば苦労はない」と思いつつも、1時間ほど喋った。

その時の資料として、世界経済を見渡すため、主要国と地域の人口とGDP(国内総生産)について、一覧表を作った。元のデータは「世界国勢図絵」にあるから、興味があればそれを購入するにかぎる。

それはともかく、2050年までの人口予想を眺めるのが手っ取り早い。人口予想は、経済評論家達の普通の「予想もの」とは異なり、かなり正確である。人間の営みがそう簡単に変化しないからである。

それによると、人口が減少する国は、日本、中国、イタリア、スペイン、ドイツ、ロシアである。その中で日本が飛びぬけて高いのも現実なのだが。

一方、イギリス、フランス、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどは増加する。気をつけないといけないのは、これらの国の人口構成である。端的に言えば移民問題である。とくにヨーロッパでは移民が大きな社会問題と化している。EU離脱を国民投票で決めたイギリスはもちろん、テロが起きているフランスも、移民問題が過熱すれば、2050年の人口予想は下方にぶれるだろう。

それはともかく、人口の増減が経済的な国力の推移を決める。人口が増える国は強くなるし、減る国は弱くなる。これは経済成長理論の骨格でもある。

イギリスのポンドがEU離脱の直前まで強かった1つの理由は、多様な移民を許容し、それを背景とした人口増である。アメリカも同じである。

これに対し、ヨーロッパのコアの国はドイツやイタリアに見られるように人口が減少し、弱い。この人口の減少をEUの対象地域、つまり縄張りを拡大することで補おうとしてきた。しかし、この政策も行き詰っている。すでに通貨としてのユーロの強さは、対ドルでピークアウトした。

以上からすると、金融資産を円で持つことが正しいのかどうか、明らかだと思う。円の国に住んでいるから円は必要なのだが、無限大に必要なのかどうか、じっくりと考えることが重要だろう。

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