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【石油の中東依存度高まる】

今月1日にAutodataが発表したアメリカの6月の新車の販売台数は151万3901台で、前年同月比で2.5%の増加

SUVやピックアップトラックの販売が伸びたためですが、その背景にはガソリンの値下がり

そして、その背景には原油価格の下落

FTには原油価格の下落で需要が高まり、結果として中東への依存度が高まっているというIAE=国際エネルギー機関の関する記事が出ています。

IEA warns of ever-growing reliance on Middle Eastern oil supplies(IEAが石油の中東依存度の高まりを警告)はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。

原油安により需要を抑えようという流れが脱線する中、世界が中東依存度を高めることにIEA=国際エネルギー機関が警告を発した。

IEAのFatih Birol(ファティ・ビロル)事務局長はインタビューで、サウジアラビアやイラクといった中東の産油国は今や、アラブの禁輸措置があった1970年代以来、世界シェアがもっとも高まっているという。

この2年の原油安により需要が高まる一方で、アメリカ・カナダ・ブラジルといった高コストの産油国が減産をしてきたことが背景だ。

ビロル事務局長は、アメリカのシェール革命で供給が増えているというニュースが中東依存度の高まりに対する意識を薄めているとして、危機感を示した。

ビロル事務局長は「中東は各国にとって第一の輸入元だ」と指摘する。その上で「需要が増えれば増えるほど、消費国は輸入を増やす必要がある」と述べた。

IEAによると、世界の原油生産のうち、中東の産油国が占めるのは日量3100万バレル、率にして34%である。これは1975年に記録したピークの36%に迫る高さである。北海の油田開発が進んだ1985年には19%まで下がった。

アメリカのシェールオイルの台頭で供給が増えた結果、2014年半ばには原油価格が急落した。サウジアラビアなど中東の産油国が率いる13か国のOPEC=石油輸出国機構は、世界のマーケットシェアを維持するために、価格引き上げを狙った減産ではなく、生産量の据え置きを決めた。

原油が下がったことでそれ以来、需要は一気に伸びた。ビロル事務局長は、省エネや排出量の削減に向けた取り組みは、ガソリンをばかばか消費する自動車の購入が再び増えたことで頓挫していると言う(Mr. Birol said efforts to improve energy efficiency and reduce emissions were being thwarted as motorists returned to buying fuel-guzzling cars)。

アメリカでは、標準的な車に比べてSUVが2.5倍売れているとビロル事務局長は指摘する。

政策当局者にとってさらに心配なのが、標準的に車に比べて4倍のSUVが売れている中国である。中国では、ガソリンをたくさん消費する大型車を好むというアメリカの自動車カルチャーを取り入れたようである。「原油安は省エネの向上にはバッドニュースとなっている」と言う。

過去10年を振り返ると、石油の需要拡大をけん引してきたのは中国であり、アメリカに次ぐ第2の石油消費国だ。石油の輸入については去年、アメリカを上回って最大の輸入国となった。

2014年以降、石油会社は30年ぶりの規模でコスト削減を進めた結果、エネルギーに対する投資がカットされたという。特にアメリカなどOPEC外の産油国がことし生産を減らす見通しだ。

その穴埋めをしているのは、イラク、サウジアラビア、それにイランである。ビロル事務局長は「中東は割安な原油の最大の供給源だということを示している」と述べて、次の20年の需要拡大のうち4分の3を中東がまかなと見る。

アメリカのシェールオイルの生産拡大により、アメリカが中東とのかかわりを減らすことができるのではないかと示唆する政策当局者もいる。

しかし、ビロル事務局長は政治家に対して、経済政策や外交政策を立案する際に中東の重要性を意識するよう促す。アメリカでは、需要が供給を上回ったことで石油の輸入が増えている。

ビロル事務局長は、中東の石油をいっさい輸入しないのは現実的ではないとして、需要を減らすために政策当局者がより厳格な燃費基準を採用するべきだと主張する。

「アメリカの石油生産は増えるが、当面は石油の輸入国であることには変わりない。シェールオイルの台頭により中東はわきに追いやられると言う声もあるが、私はこの見方に決してくみしない」と強調する。

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