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「やっぱり、自民党しかない」の背後にある、変わらない日本、変われない日本

「政権交代」は、民主主義における「呼吸」のようなもので、政権交代がない民主主義は、呼吸を止めてしまっている。その意味では、日本は、戦後長い間、政治的には呼吸を止めてしまっていたのだと思う。

投票による民主主義が機能している国では、定期的に政権交代が起こる。なぜ、国民の意見がそのように割れるのかは、興味深い問題であるが、異なる意見の人がほぼ半々存在することが、社会の変化のダイナミズムにつながるのであろう。

同じ政治家さんたちが、交代して、与党の立場と、野党の立場を経験することで、違った風景が見える。政治家としての資質が向上する。それが、与党、あるいは野党という一つの立場ばかりにいると、だんだん政治的眼力が腐ってくる。

だから、ぼくは、常に、政権交代の可能性が最大になるように投票したいと思っている。特に、日本のようによどみやすい国では。政権交代自体に価値があり、それ以上の実現価値は存在しないとも思っている。今回の参議院選は政権選択選挙ではないが、同じような考え方で投票する。

先日、ある場所で話していて、外国経験も長い方がいらした。みんなで、国際情勢や、文化の違い、その他のことを語り合っているうちに、その、外国が長い方が、「でも、やっぱり、自民党しかないんですよね」と言われた。ぼくは、その言葉のニュアンスに驚くとともに、内心ひどく落胆した。

自民党にはすぐれた側面があり、優秀な人材もたくさんいる。一方、今報道されている自民党の憲法改正案は「トンデモ」だろう。要するに是々非々なのであって、「やっぱり、自民党しかない」という思考停止は、何ももたらさないと思う。しかし、そのような人が日本にはどうも多い。

安倍さんの政権運営の特徴は、日本の社会を変える構造改革や規制緩和の動きがにぶいことだろう。だから、真の経済成長もしない。これは一つの矛盾だ。「やっぱり、自民党しかない」という意見が、変わらない日本、変われない日本を象徴しているように感じた。単に選挙結果だけのことではない。

「やっぱり、自民党しかない」という意見を聞いて、ぼくは、「ああ、ここに、新卒一括採用や、記者クラブや、偏差値入試を支える、変わらない、変われない日本のメンタリティがあるんだ」と思った。ぼくは、自民党というよりも、おそらくそんな日本に対してこそ違和感を持っている。

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