ゼイコスさんは「ある意味ショックだった」とし、「スナップチャットの利用者の大半はわれわれの世代だから、上の世代の人がスナップチャットを使うのは奇妙だ」と話す。
5年前の立ち上げ以来、スナップチャットは数秒後には消滅する画像や動画の送信が可能なツールとして、高校生や大学生の間で人気を集めだ。関係者によると、1日当たりアクティブユーザー数は1億5000万人に上るという。
また、スナップチャットには最近までは「両親からの隠れ家」という側面もあった。
しかし、今や子どもを監視する両親や様々な交流サイトを試そうとする専門家など、年配の人たちがこれを一斉に利用するようになっている。

主要交流サイトと年齢別ユーザー構成
当初は10代の間で人気を集めた多くのアプリにとって、利用者の年齢上昇は避けがたいプロセスとなっている。スナップチャットが10代の熱烈な利用者を維持しつつユーザー層を拡大できるかどうかは重大な影響を及ぼす。投資家は同社の企業価値を160億ドル(約1兆6500億円)と評価している。
これはまた、16億人のユーザーを抱え、3300億ドルの評価を得ている圧倒的な規模の交流サイトであるフェイスブックのように成長できるか、あるいは成長が頭打ちになり、時価総額がピーク時の4分の1にまで減少したツイッターのようにニッチなサイトになるかの分かれ目でもある。
コムスコアは最近の調査で、スナップチャットは「主流になりつつあり」、米国のスマートフォン利用者のうち25~34歳の38%、35歳以上の14%が利用していると推定した。3年前の比率はそれぞれ5%、2%だった。
ニューヨーク大学の研究機関、データ・アンド・ソサエティーのアマンダ・レンハート氏は、スナップチャットはフェイスブックよりも10代の離脱による影響を受けにくい可能性があると指摘、その理由として、スナップチャットはコミュニケーションを制限しやすいことを挙げた。
スナップチャットが大人のユーザーを十分に獲得し、検索のグーグルや通販サイトのアマゾン、ソーシャルネットワークのフェイスブックのようなインターネットの公益サイトになれるかどうかは、まだはっきりしない。
カリフォルニア州ベニスに本社を構えるスナップチャットは、大人のユーザー層の流入を歓迎する考えを示している。広報担当者は「われわれのコミュニティーは両親を歓迎しているが、これは高速で楽しいコミュニケーション手段であるためだ」とし、「われわれには既存の交流サイトでしばしば見られるような、『いいね』やコメントに関して困惑させられるような瞬間はない。これが問題になったことはない」と述べた。
過去1年でスナップチャットは広告事業を拡大するとともに、新しい機能やメディアとの提携関係を追加した。事情に詳しい関係者によると、同社の今年の収入は3億ドル(昨年は6000万ドル)に達する可能性があるという。
スナップチャットは3月に、音声・動画のアップロードやボイスメールの送信が可能になるようアプリを改良したため、実質的に総合コミュニケーション・ツールへと生まれ変わった。また、コスモポリタン、バイス、ウォール・ストリート・ジャーナルなど幅広いメディアで構成されるニュース・セクションも構築した。さらに、レディー・ガガやラジオDJのライアン・シークレストなど有名人がその生活の一部を披露する場にもなっている。
By YOREE KOH