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バングラデシュでの外国人を狙ったテロの背景

7月1日夜、バングラデシュの首都ダッカの、大使館などが多く存在する高級住宅街にあるカフェに、銃や爆弾で武装したイスラム国の過激派グループが乱入、30人を超える民間人を人質に取り、立てこもりました。人質の多くは外国人でした。

これまでに人質少なくとも20人、6人の過激派、2人の警察官が死亡しました。

バングラデシュはミャンマーとインドに挟まれた国で、人口は1.59億人です。

同国は衣料品の輸出などをテコに、過去10年平均してGDP成長率6%を記録してきました。

しかし2014年1月の総選挙の前後から反政府運動やテロ事件が頻発し、外国の企業は同国のリスクを見直し始めました。このため直接投資には急ブレーキがかかっています。

バングラデシュは、貧困や、お隣のインドとの不仲、政府がしっかりしていないこと、などからテロリスト集団が育ちやすい条件が揃っています。

このため、沢山の、信条や主張の異なるテロリスト集団が割拠し、それぞれ自分たちの存在感を誇示し合うという様相を呈しています。

かれらの活動は、一例として反イスラム的なブロガーを襲撃するなどになります。

イスラム国も、バングラデシュ内で勢力伸長を狙うテロリスト組織のひとつです。そしてアルカイダとはイラクやシリアでライバルの関係になっていますが、この縄張り争いはバングラデシュにも持ち込まれており、激しい主導権争いが起きています。

さらにバングラデシュにもともと存在していた地元の過激派グループは、イスラム国やアルカイダなどの外国産のテロリスト集団が、自分の縄張りを荒らしているのを面白く思っていません。

こうして割拠するテロリスト集団間での覇権争いは、リクルート合戦につながっています。

イスラム国は「聖戦に参加したい」と志願する者を集めるために、何か大きな事件をやらかすプレッシャーを日頃から感じていました。

今回のような、外国人を狙い撃ちにしたテロは、センセーションを巻き起こすので、宣伝効果抜群というわけです。

イスラム国は、かっこいい「年次報告書」で若者をリクルートすることで知られていますが、「ダビーク」と呼ばれる季刊誌のようなものも出しており、その4月号の中ではバングラデシュのイスラム国のリーダーが、今後の活動方針を語っています。

そこではキリスト教のミッションやヒンズー教の要人に対する攻撃、シーア派に対する攻撃、外国人に対する攻撃、軍に対する攻撃などを計画していると述べられています。

今回の事件は、季刊誌で語った抱負を実行に移した格好です。

さて、バングラデシュ政府の対応ですが、これまでに過激派とおぼしき1万8千人を逮捕しました。しかしこの逮捕は過激派とは無関係な人にも及んでいるらしく、その効果については、国民は懐疑的だそうです。

なお日本は昔からバングラデシュに対してODAなどの支援を行っており、両国の関係は良好ですし、特に日本人が嫌われているということも無いと思います。

だから今回の事件は特に日本人だけがターゲットにされたのではないし、日本政府のどこがいけなかったとか、現地でバングラデシュの発展に尽力している日本人たちに落ち度があったとかという問題ではなくて、テロリスト達の広報活動としての「残虐パフォーマンス」に不幸にも巻き込まれてしまったということだと思います。

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