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「仮想通貨」と「電子マネー」は何が違う?

文=ジャーナリスト 村上 敬 答えていただいた人=弁護士 増島雅和 図版=大橋昭一

「モノ」から「財産的価値」へ

資金決済法の改正が閣議決定されて、ビットコインなどの仮想通貨の位置づけが明確になった。

まずはこれまでの仮想通貨の位置づけを見てみよう。フィンテックに詳しい増島雅和弁護士は、「仮想通貨は通貨ではなく、いわば『モノ』だった」と解説する。

「仮想通貨は、いわばデジタルコンテンツ。データを現実のお金と交換できるという一点において価値がありますが、仮想通貨同士を交換する場合は、ただの物々交換になります」

しかし、モノという位置づけでは不都合が起きた。2014年、ビットコイン取引所のマウントゴックスが破綻したのだ。

原因は仮想通貨のずさんな管理にあったが、仮想通貨がただのモノならば、その交換業者にも規制をかけることができない。取引が野放しだと、犯罪組織に利用されるおそれもある。利用者保護やマネーロンダリング防止のためには、仮想通貨に別の位置づけを与えて交換業者に規制をかける必要があった。

そこで浮上してきたのが、資金決済法の改正だ。資金決済法は電子マネーなどの取り扱いに一定のルールを課している法律だ。これまで規制法がなかった仮想通貨にも資金決済法の網をかけ、取引所を規制することにしたのだ。

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仮想通貨と電子マネー、ポイントの違い

この改正で仮想通貨は電子マネーと同じ「財産的価値」を持つ。ただ、電子マネーと何から何まで同じになるわけではないようだ。たとえば電子マネーの「Suica」には消費税がかからない。1万円分をチャージしたければ、1万円を払うだけでいい。一方、ビットコインの取引には消費税がかかる。1万円分のビットコインを買うなら、1万800円が必要だ。同じ「財産的価値」なのに、なぜ扱いが違うのか。

「資金決済法と消費税法は別物だからです。電子マネーのチャージも含めて、金融取引は一般的に非課税です。私は仮想通貨の取引も非課税にすべきだと考えますが、まだ消費税法の改正が追いついていない。当面は、この状況が続くでしょう」

給料を仮想通貨でもらう日は来るか

今回の改正で仮想通貨は物ではなく「財産的価値」と位置づけられるが、「通貨」として認められたわけではない。仮想通貨がお金でないなら、給料をビットコインでもらうこともできないのだろうか。

「賃金には『通貨払いの原則』があるので、基本的にできません。ただし、労働組合と労働協約を結べば、例外的に現物支給することは可能です。もしビットコインで給料を支給したければ、現物支給と同じロジックで進めることになるでしょう」

もっとも、現段階では時期尚早という見解だ。

「いまも給料をドルで払おうとすれば払えますが、特殊な例を除き、ドルでもらっている人はいない。仮想通貨も同じ。法的に可能でも、まだ現実味に乏しい。仮想通貨が決済手段として定着したら、いずれそういう日が来るのかもしれませんね」

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