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戦争のこともコメディにする柔軟さ、したたかさに学ぶ

昨日の、「とと姉ちゃん」に出ていた、「非国民め!」とか威張り散らす方の役柄の描き方が、どうなんだろう、というツイートに、いくつかご意見をいただいた。やはり、注目度の高い朝ドラならではだろう。

以前から思っているのだけれども、戦争中に表れた「非国民め!」というような方を描きつづけることで、そのようなステレオタイプを固定化し、いわば「型」として、動態保存することにつながるのではないか、と感じるのである。

日本のメディア状況を概観すると、決定的に欠けているのは、社会的にシリアスな問題を笑いに変えるコメディで、思考の柔軟性が失われる原因になっている。戦争のことだって、コメディにできないわけではない。むしろ、コメディにすることで、真相が見えてくる。

日本でもミスター・ビーンで有名なローワン・アトキンソンが出ているBlackadder goes forthはBBC制作の戦争コメディで、戦争中の無能な上官と、その上官の命令になんとか従わないで生き延びようとする兵士の間のドタバタを描いている。

戦争は、美名の下に行われるけれども、実際の上官は必ずしも判断力があるわけではなくて、むちゃくちゃな命令をして、しかし戦場だから逆らうと軍法会議にかけられる、という不条理を、コメディにしているのである。

今朝のBBC Radio 4のThe Now Showも第一次大戦の特集をしていて、当時の状況を、音声コメディにして流していた。もちろん戦争は悲惨だが、このように笑いのメタ認知を通して、柔軟な思考をすることで、かえって、その構造の本質が見えてくるのである。

戦争に関する日本のドラマ、映画の描き方にはある種の「生真面目さ」「ノージョーク」の型があって、そこには定番的に「非国民め!」の人が出てくるのだが、そのような存在の滑稽さ、愚かさを笑いで描いて置かないと、結局、固定観念を動態保存するだけで、あまり良いことにならないと思う。

まあ、理屈はともかく、Blackadder Goes Forthは全6エピソードがどれも珠玉で、ぜひ機会があったら見ていただきたいと思う。EU離脱のこともすでにジョークにしている英国民のしたたかさ、思考の柔軟さは凄い。日本にはお笑いはあっても、コメディがない。

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