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英国のEU離脱と知的財産の実務や個人データ取引への影響についての雑感

1 知的財産権についての影響概要
英国公認特許代理人協会、以下「CIPAという。」は、おおむね以下の通り表明しています。 「英国がEUから離脱するとの投票結果に対して、直ちに英国がEUから離脱の効力が発生するわけではないことから、冷静な対応するように呼びかけており、EU離脱に向けた手続きとの関係があり少なくとも2年間は従来同様の実務が行われ、その間にCIPAは、知財権の所有者にとって最良の結果が得られるように、政府と協働していく。 また、英国の欧州特許制度への加盟は、世界知的所有権機関(WIPO)への加盟と同じく、EUへの加盟とは別の法的根拠を有しているから、英国のEU離脱の決定は、欧州特許(EP)の権利者に影響を与えるも、英国特許弁理士の欧州特許に関する実務遂行の能力を制限することはない。

従って、英国特許弁理士は、今後も全ての英国および海外の出願人のために欧州特許出願の手続を行うことができ、欧州特許出願人は如何なる権利も喪失することなく、また既に欧州特許庁(EPO)経由で得た特許権も影響を受けない。英国特許弁理士は、今後も全ての英国および海外の出願人のためにPCT出願の手続を行うことができる。さらには、PCT出願人は如何なる権利も喪失することはないとし、現時点では、英国の特許弁理士および商標弁理士はこれまで通りの業務を行うことができ、英国および海外の知財権所有者は如何なる知財権を喪失することもなく、EU IP registration systemへのアクセスも失うことはない。」

 以上から、知的財産権の出願や権利の維持の観点で直ちに大きな影響があるわけではないように思われるが、2017年に向けて発効作業が進んできた欧州特許統一制度には、特許主要国でもある英国のEU離脱がその進捗および発効時期に影響を与える可能性は十分考えられると指摘している専門家もいるほか、EU下にある欧州統一特許裁判所(UPC)の規定では、パリの本部に加えてロンドンに支部が設置される計画であったが、今回の離脱により、これも再検討になる可能性は十分存在する。

2 そのほかの法令特に個人データの越境取引についての問題点
知的財産に限らずEUの指令等により、英国国内で法的執行力を有している法制度が離脱により、国内で改めて同様の法令を整備するのかの問題がある。この点、法律の問題で特に特徴があるのは、EUから離脱することで、これまで、EU域内での個人情報データの取引は個人データ保護指令と自国の法制度によって根拠づけられていたのが、そもそもEU域外となれば、日本やほかの国と同じように個人情報データの越境データ取引をBCRの手続き等によらずに円滑に行うには、英国独自のデータ保護法制がEUのデータ保護指令と同様の十分な保護が与えられているか十分制の認定を受けなければならなくなり、十分制の認定を受けなければ顧客データ等の取引を英国を介してEU市場で流通している企業は今後、大きな影響があるものと思われる。

おりしもこの分野でも、指令ではなく規則として各国の法整備をしなくても直接的にEU加盟国に効力を発するGeneral Data Protection Regulationの発効米を控えているだけに、今後離脱に向けた2年間でどのような調整行うのか動向を注視する必要がある。

※200ページにも及ぶその原案が(2015年6月11日ブリュッセルで発行)が公開されている。(まだドラフトの段階で一部不備があります。)

"Proposal for a Regulation of the European Parliament and of the Council on the protection of individuals with regard to the processing of personal data and on the free movement of such data (General Data Protection Regulation) - Preparation of a general approach"
http://data.consilium.europa.eu/doc/document/ST-9565-2015-INIT/en/pdf

いずれにしても、今後どのようにEUからの離脱の手続き、交渉が進み法制度の整備がなされていくかは注目しておく必要がある。

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