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トランプ氏、TPPからの離脱表明

28日にペンシルベニア州で経済政策について演説を行ったトランプ氏は、TPPはアメリカ製造業に打撃を与えるとし、離脱を表明しました。

もともと保護主義を前面に出していますし、以前から「反対だ」とは言っていました。最近は支持率が低下してきていましたので、自由貿易を否定し、支持基盤である白人労働者層へ「雇用を取り戻す」とアピールしたかったのでしょう。

しかし、TPPは、2010年3月に交渉を開始し、今年2月に6年もの時間をかけてようやく署名まで辿り着いたものです(参加国は12)。各国の政府はこの合意を最大限尊重しなければなりません(議会が承認しないというのではなく、行政府の判断で撤退を決めたとなれば国の信用を損なうことになります)。

トランプ氏がこのタイミングで離脱を表明しても反発やマイナスが出てこないと考えた一つの理由としては、批准手続を完了している国がゼロであることも背景にあります。特に日本で手続が遅れていることは、彼にとっては有難い状況です。

TPPが発効するためには、2年以内に12カ国の承認手続が済むことが必要です。しかし、これには協定上特別の規定があり、各国のGDP総合計が85%以上になった段階でも発効するとされています。

これは裏を返せば、日米どちらかの国で承認されなければ、発効されないことを意味します。全体に占めるGDP比率は、米国60.4%、日本17.7%だからです。

仮に、第190回国会で日本が承認を済ませていれば、TPP発効の決断はアメリカに委ねられることになっていました。もしそのような状況であれば、多くの参加国が長い年月を掛けて合意に至ったTPPを簡単に否定することは(ビジネスマンのレピュテーションからも)難しかったはずです。

日本では前国会でTPP特別委員会が設置されたにも関わらず、建設的な議論がされることはなく、承認とは程遠いような状況で止まってしまいました。

国会に対してきちんと情報を出さない政府。それなのに交渉経過まで書いた内幕本を出そうとした委員長など、与党側に大きな問題があったのは事実です。 しかし、その黒塗り原稿等、スキャンダラスなことだけを追及していた野党にも責められるべき点はあります。テレビ入りの大事な委員会になればなるほど顕著ですが、与党は重要政策の審議を回避しようとしますし(特に選挙前)、野党は分かりやすいが実は本質的ではない攻撃に時間を費やしてしまいます。

TPPは日本の国益にかなうもので、経済成長のために必要なものだと私は考え、どこの政党よりも早く「交渉への早期参加」を呼びかけてきました。アメリカが本当に離脱となり、失効するようなことになれば、世界経済への新たなマイナス要因となるでしょう。

前国会、TPPの中身の審議ができなかったことは本当に残念で、私にとっても心残りの一つです(参院には送られることもありませんでした)。経済発展を考え、米国に離脱をさせないためにも、臨時国会では冷静な取り組みを期待したいと思います。

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