- 2016年06月29日 12:28
参院選と、利根川一家心中事件の裁判。の巻 - 雨宮処凛
2/2 例えば自民党の生活保護に関するプロジェクトチームのリーダーをつとめていた世耕弘成議員は、生活保護受給者の「人権」を制限しても仕方ないという考えを述べている。また、同じく自民党議員の片山さつき氏は「生活保護を恥と思わないことが問題」というような発言を繰り返していることはご存知の通りだ。
そんな自民党は12年の選挙公約に「生活保護費の10%削減」を掲げ、政権に返り咲いてからは真っ先に生活保護費の引き下げを行なった。平均6.5%、最大10%の引き下げだ。それは受給者の生活を直撃し、現在、30近い都道府県で「生活保護引き下げは憲法25条の侵害」として、集団で違憲訴訟が行われている。
ここで指摘したいのは、自民党の大いなる矛盾だ。
例えば子どもの貧困には前向きな姿勢を見せながらも、生活保護基準を引き下げたこと。この引き下げでもっとも保護費が下がったのが子育て世帯。子どもの貧困を更に深刻化させているのである。
また、生活保護基準が下がったことで、連動して下がった制度のひとつに就学援助がある。経済的な理由から給食費が払えなかったり修学旅行に行けなかったりする子どもへの支援策だ。この支援を受けられる基準が、生活保護引き下げによって下がってしまったため、貧困ラインギリギリなのに就学援助から排除された子どもたちが多く出た。「子どもの貧困対策」と言いながらも、自民党政権は子どもの貧困を深刻化させるような政策を実行しているわけである。
また、安倍政権は「介護離職ゼロ」を掲げるものの、同時に自民党の憲法草案24条には「家族は、互いに助け合わなければならない」と書かれている。確かに「助け合う家族」は美しい絵ではある。しかし、虐待やDVなどの理由で、家庭が命を脅かされる場所になっている人はたくさんいる。そして利根川の事件のように、時に「経済的に厳しい中で助け合う」ことは、無理心中にまで繋がってしまう。自助、共助を強調する自民党政権の主張は、私には「家族は国に一切頼らず、一家心中するまで助け合え」に聞こえてくるのだ。
改憲の前から9条を骨抜きにし、25条を侵害しまくっている安倍政権。とにかく、この選挙で退陣してほしいと祈るばかりだ。
そんな中、3年前の参院選で応援し、見事当選、その後、3年間に渡って貧困問題など現場の声を国会に届け続けてきてくれた山本太郎氏が、東京選挙区から立候補した三宅洋平氏を全面応援することを知った。三宅洋平氏の立候補について、様々な声があることは知っている。しかし、思い起こせば3年前の山本太郎氏にも様々な声があり、私から見ても「突っ込みどころ満載」というか、突っ込みどころしかないような人だった。
しかし、晴れて当選してからは様々な人を紹介してレクチャーを受けてもらい、時に勝手に「この問題をなんとか届けて!」と押しかけ、安保法制の際には「対策チーム」まで結成し、質問作りを手伝わせて頂いた。この年末年始には渋谷や池袋、横浜寿町や山谷など炊き出しの現場に同行してもらい、多くのホームレス状態の人から生の話を聞いてもらった。若い人から高齢の人まで、そんな生の声は委員会での質問などに生かされている。そうして最近、太郎氏の質問がきっかけとなり、生活保護制度の運用が変わるということもあった。生活保護世帯の高校生が奨学金を受けると、これまで保護費が減額されていたのだが、大学受験料と入学金については減額されない、という運用に変わったのだ。
小さな一歩かもしれない。だけど、私も含め貧困問題に関わる人々は、穴だらけのセーフティネットの穴を、こうやってひとつずつ埋めてきた。そしてその穴が埋まることで、確実に人が救われるのを見てきた。一発逆転のような鮮やかな解決策などない。小さなことを丁寧に積み重ねていくことでしか、現状は変わらない。それを共にしてくれる議員がいなければ変わらない。
こういう人が、あと10人いれば国会は変わるのに。
そう思い続けてきた。だからこそ、私は太郎氏を一人にしないためにも、三宅洋平氏に国会に行ってほしいと思っている。
というようなことを言うと、各方面からいろんな声が出ることも知っている。風当たりが強くなることも知っている。だけど、私にはこの3年間、山本太郎という議員を通して見えてきた光景がある。成し遂げられそうな課題がたくさんある。やり方も、少しずつわかってきた。三宅洋平氏が通ったら、太郎氏と同じレクチャーや現場視察などをフルコースで体験してもらいたいと思っている。そして三宅洋平氏は、これまでまったく選挙とか行ったことのない層にこそ、訴える言葉を持つ人だと思う。投票率アップに、確実に貢献してくれる人だと思う。そうして投票率が変われば、あらゆることが変わる。
あなたも、あなたの声を届けてくれそうな人に投票してほしい。「そんな人いない」なら、消去法でもいい。
泣いても笑っても、7月10日まで、あと少しだ。
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