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TDLで毛皮反対アピールを強行して炎上 確信犯的な行動に見る排他的正義 - 網尾歩

肉食反対に賛同できなくても、毛皮反対には頷く人は多いだろう。しかし、こんな強引なアピールで、本当に仲間が増えるのだろうか。

注意するスタッフに「私たちこそ歓迎されるべき」

 正義の押し売りは怖い。正義の暴走は怖い。なぜなら正義の集団はときとして非常に排他的になるからだ。

 そんなことを感じたのが、ある動物愛護活動を行う女性のブログの炎上だ。6月13日に仲間とともに東京ディズニーランドを訪れたこの女性とその仲間は、「Don’t buy FUR!」などと書かれたカッパや、毛を剥がれたウサギの写真を大きく貼り付けたバッグを身に着けて園内を歩いたことを報告している。

 入場前に一度、「ミッキーマウスをかたどった紙に禁止マーク(×やNO FUR!の文字など)を掲示しないでほしい」という注意を受け、入場後にも再度スタッフから、残酷な写真に子どもが驚いているとたしなめられたようだ。しかし、彼女たちは「ディズニーランドにノーファーポリシーがある事を解って言っているのか」「知らずに私たちにいきなりそのような態度をするのはあまりにも失礼ではないか?」「本来は私たちのようなゲストこそ歓迎されるべきではないのか?」などの反論を行ったとブログに書かれている。

 ブログの投稿が6月18日。それから数日後の23日頃になって、Twitter上で「立派な迷惑行為」として拡散され、多くの人が目にするところとなった。

 Twitter上では「ここまで自分達を正義と信じて疑わない連中始めて見た」「主義主張は十分に感じるが、客観的には迷惑行為だな」「菜食主義でも狂暴になるんですねっていう記事」(以上、すべて原文ママ)などの感想が見られる。

 中でも筆者が同意したのは「動物愛護に否定的な人を増やすだけなので関連団体はこういう人早めに呼び出して叱りつけた方がいい」というコメントだ。

他人の「無知」を笑いたいだけなのでは?

 筆者は以前、ある動物愛護団体に取材をしたことがある。当時、ファッションアイテムである毛皮の反対には同意できても、肉食反対は理解できなかった。人間は食べなければ死んでしまう。動物がかわいそうだから食べるのをやめようというのは、まず現実的ではないし、非常に偽善的ではないか。

 しかし取材をしてみて、その団体へのイメージが変わった。彼ら彼女らは「ミートフリーマンデー」という活動を教えてくれた。海外で始まった運動で、週に1日だけ肉食を控えようというキャンペーンだという。なぜ週に1日だけでも良いのか? それは、1人が少しずつ肉を控えるだけでも、劣悪な環境下で飼育される動物が減るから。大量の需要が過剰な生産を生む。放牧でのびのびと育てられる畜産ではなく、狭いケージの中に閉じ込められたまま生涯を終える動物を減らしたい。体の向きも変えられない柵の中で飼育される母豚、狭いケージの中でほかのニワトリに踏みつぶされて一生を終える一羽も少なくない。「ありがたく命をいただくのであれば、その生のかたちも可能な限り尊重したい」、取材した女性はそう語った。

 この論理に納得のいかない人もいるだろう。偽善だと言う人もいるだろうが、筆者はひとまず彼らの考え方がよくわかった。「肉を食べるなんて野蛮人」と言われるのでは? 取材前はそうドキドキしていたが、そんなことは全くなく「それぞれが自分のできる方法を選択すればいい」とも言われた。実は筆者は取材時、フェイクファーのつもりでリアルファーの小物を身に着けるというありえない失敗を犯したのだが、それについても「今はリアルファーがすごく安い値段で売られているから、気づかないで買っちゃう人が多いんですよ」と優しく教えられた。怒られなかったのだ……! 

 そんな経験があるからこそ、ディズニーランドで毛皮反対アピールを強行した女性たちの行動が残念でならない。彼女たちの「正義」は、多くの人にとってそうではない。世の中を本当に変えたいのであれば仲間を増やすしか手段はないのに、なぜ威嚇するような態度を取り、排他的になるのか。なぜ、スタッフにけんか腰で挑んだり、自分たちの後ろで肉を食べている他の来場者を写真に撮り、サムダウンのポーズをとるのか。「動物を食べてる時の人間の顔が凄く怖くて、、、」と書くのか。

自分の正義を振りかざし、他人の無知をあざ笑いたいからにしか見えない。そんなことをして、誰が仲間になりたいと思うだろう。

 ブログを投稿した女性は、ディズニーランドに行く前日に渋谷で行われた肉食反対のパレードに参加するために上京したらしい。仲間の中で、この行き過ぎた行動を止める人はいなかったのだろうか。ブログでは国内外の「セレブ」たちの写真が恐らくは無断使用されているが、他人の考える「正義」には無関心なのだろうか。

 ブログのタイトル下には「動物達の真実から目を背けさせようと圧力をかけられアメブロを強制退会させられ」とあり、炎上した後も彼女はTwitterやブログを閉鎖していない。本来の意味での確信犯だろう。彼女のような行動がこれ以上、真摯に活動する人たちを邪魔しないことを祈るばかりだ。

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